盗撮・リベンジポルノ、AIならわずか22秒で発見…ソウル市が性犯罪被害者支援に活用

ソウルに住むAさん(15)は今年8月、インターネット上に自分の下着姿の写真と動画が拡散されているのを知った。当時、チャットアプリを通じて知り合った男性に脅迫されて送信したものだった。Aさんは警察に助けを求め、「ソウル・デジタル性犯罪安心支援センター」を紹介してもらった。センターではすぐにAさんの写真・動画の検索に着手した。すると、たった22秒でネット上に拡散されていたAさんの写真・動画を発見し、直ちに該当サイトなどに削除を要請した。写真・動画を見つけたのは人工知能(AI)だった。

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 ソウル市では今年3月、デジタル性犯罪安心支援センターにAI違法撮影物感知システムを導入したが、それから7カ月間で45万7440件の動画をモニタリングしたことを12日、明らかにした。AI導入前に人が手作業で探していた時は、同期間で3万3511件しか発見できなかった。検索量が約12倍増えたということだ。

 11人が勤務するこのセンターは、「盗撮カメラ」や「リベンジポルノ」などの違法撮影により被害を受けた人々を救ってくれる所だ。ネット上に流布された写真・動画を探し出し、削除までを支援する。AI導入前は申告があると、「○○高校の制服」「○○女」など、特定の単語で検索してネット掲示板や交流サイト(SNS)などを探し回らなければならなかった。 一つ一つ目で見なければならないため、アカウントごとに追跡し、投稿物を確認しなければならなかったのだ。そのため、精度にも欠け、時間も平均2時間かかった。

 だが、AIは違った。違法撮影物を見つけるのに3分しかかからない。流布された写真・動画の類似度まで検査して探すため、精度も高い。検索が完了すると、自動的に結果が職員に伝えられ、削除措置も速やかに行われる。その上、24時間運用が可能なのも長所だ。センターの関係者は「違法撮影物は主に未明にアップロードされ、流布されるケースが多い」「昼夜関係なく動画を探せるため、AIは専門スタッフ約30人分の役割を果たしてくれる」と語った。

 違法撮影物が掲載されたサイトやSNS側に削除要請した件数も増えた。AI導入から7カ月間で4141件に対し削除を要請した。これは導入前の2049件に比べ2倍以上の増加だ。ソウル市は年末までにAIが児童・青少年と成人を区分できる技術を開発する予定だ。

パク・ジンソン記者

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