役所の各種書類・証明書発行が全面ストップで大混乱…何が問題なのか把握すらできない韓国行政安全部

サーバーのアップデート中にエラーの可能性

バックアップサーバーもトラブル、復旧遅れる

 韓国で17日夜遅くまで行政コンピューターネットワークがマヒし、役所の各種書類・証明書などの発行が全面ストップして大混乱になっているが、これを管轄する韓国行政安全部(省に相当)は詳しい原因すら把握できずにいる。物理的なハードウエアの問題なのか、それともソフトウエアの問題なのかさえ分からない状況だ。行政安全部の関係者は「エラーの原因が明らかになって初めて復旧が可能になるが、原因が分からず復旧が遅れている」と言った。

 ただ、行政安全部内部には、傘下の国家情報資源管理院が16日夜に行った大田統合電算センターのサーバー・セキュリティーパッチ・アップデート作業により今回の事態が始まったという見方がある。このサーバーは民間の共同認証書としての役割を果たす公務員行政システムの「GPKI(行政電子署名)」を担う。このサーバーに問題が発生したため公務員たちがシステムにアクセスできなくなり、果ては行政手続ポータルサイト「政府24」にもつながらなくなるという事態に至ったということだ。

 専門家らは「今回の事態はずさんな行政システム管理の内実を現している」と指摘する。サーバーのアップデートは定期的に必要な作業だが、エラーが発生する可能性は常にある。このため、銀行やインターネット・ショッピングモールのように多数の消費者・顧客を対象としているところではサーバーやコンピューターネットワークのアップデートを週末や祝日に主に行う。浦項工科大学の金鍾(キム・ジョン)教授は「コンピューターネットワークをアップデートしたり交換したりする時は、利用者が少ない週末や祝日などに行う。そうすれば、エラーが発生しても被害を最小限にとどめられる」「平日に全国民が使うシステムをアップデートしたために被害が拡大した」と述べた。

 「万一の事態を考えての十分な対策を講じなかったと思われる」という指摘もある。認証サーバーは、使用するサーバーと同じ容量以上のバックアップサーバーで構成されている。サーバーのアップデートに問題が発生した場合、バックアップサーバーに切り替えて接続さえすれば復旧が可能だ。ところが、今回の事態ではバックアップサーバーもまともに作動していない。行政安全部によると、17日午前11時30分ごろ、サーバーを切り替えてコンピューターネットワークの復旧を試みたが、同日午後1時ごろ再び障害が発生したとのことだ。韓国科学技術情報研究院(KISTI)のイ・ヒョクロ博士は「アップデートが終わったらまずテストをする。この時、テストでうまく行かなければ復旧作業を続けるが、今回の事態はテストをせずにコンピューターネットワークを稼動させ、システム全般が損傷した可能性がある」と語った。

 韓国科学技術院(KAIST)経営大学のチョ・デゴン教授は「銀行や一般企業も複数の段階にわたる指針を作ってシステムを運営している」「行政のコンピューターネットワークを管理する人々が指針を守らないのも問題だが、指針を守ったのにもかかわらず問題が発生したとすれば、いっそう深刻な事態だ」と指摘した。

イム・ギョンオプ記者、ユ・ジハン記者

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  • ▲韓国全国の地方自治体で行政コンピューターネットワークに障害が発生した17日午前、ソウル市内のある区庁(区役所)では、総合書類発行室内の無人書類発行機にネットワーク障害に関する案内文が貼られていた。写真=聯合ニュース

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