「偽物選挙の妨害くらいはできる」 プーチン批判で投獄された軍事ブロガー、来年の大統領選に出馬の意向

 ロシアでプーチン大統領を批判し、過激主義を扇動した容疑で逮捕・拘禁されているロシアの有名軍事ブロガー、イーゴリ・ギルキン氏が来年3月に予定されているロシア大統領選挙に出馬する意向を表明した。

【表】不審な死を遂げたプーチン大統領の政敵たち

 ギルキン氏自ら19日(現地時間)にテレグラムを通じて支持者に「選挙に出馬する。今のロシアの現状で大統領選挙に出馬することは、詐欺師によるカードゲームのテーブルに座るようなものと完全に理解している」「候補者としてテーブルに座ることもできないだろう(とも知っている)」などと伝えた。ロイター通信やBBC放送などが同日報じた。

 ギルキン氏は出馬を宣言した理由について「来年3月の大統領選挙はすでに当選者が決まっている『虚偽』選挙になることは分かっているが、ばかげた選挙をやろうとするクレムリンの計画を妨害くらいはできるだろう」と説明した。ギルキン氏は支持者らが自分を候補者とするため署名を集める行動を起こしたことだけでも「愛国勢力が結集する機会になる」として「外部と内部の脅威に対抗し団結できる私たちの機会だ」と呼びかけた。

 ロシアの大統領選挙に関する法律によると、無所属で大統領選挙に出馬するには最低500人以上の署名を集め、候補者として推薦を受けねばならない。「ストレルコフ(ギルキン氏の別名)を支持するロシア運動」の共同議長を務めるオレグ・ネルジン氏は先日テレグラムを通じ「ギルキンを3月の選挙に出馬させる作業を開始するよう支持者らに求める」と呼びかけた。

 支持者らはロイター通信の取材に「ギルキン氏に対する捜査が来月18日まで延長された」とする一方「ギルキン氏はまだ有罪の判決を受けていないため、理論的には世論調査に参加できる」と主張している。ロシアの日刊紙コメルサントは「ロシアでは刑事事件の被告人も大統領候補として指名を受けることはできるが、有罪が宣告されれば選挙運動はできない」と伝えた。

 ギルキン氏はロシア連邦保安局(FSB)元大佐で、2014年にロシアがウクライナのクリミア半島を併合した際には大きな役割を果たした。最近はロシアの民族主義的な軍事ブロガーとして活動を続けている。ギルキン氏は昨年2月にロシアがウクライナ侵攻を開始してからはロシアの戦術を批判し「プーチン大統領が指名したロシア軍首脳らがウクライナでより効果的に戦争を行わなければ、ロシアは革命はもちろん内戦にも発展しかねない」と何度も警告してきた。

 ギルキン氏は今年7月にロシア連邦刑法282条(過激主義活動)により逮捕された。これはギルキン氏がプーチン大統領を「役立たずの臆病者」と批判し、権力の座から下りるよう公開批判してから3日後のことだった。この容疑で有罪となった場合、最大で5年の懲役刑となる可能性もある。

 ロシアの大統領選挙は来年3月に行われるが、プーチン大統領は現時点で出馬を明言していない。2000年に大統領となったプーチン大統領は08-12年に首相となった4年を除いて今に至るまで大統領を続けている。プーチン大統領が来年3月に大統領選挙に出馬し当選すれば、任期は30年まで続く。ロシア大統領府のペスコフ報道官は17日「プーチン大統領が来年3月の大統領選挙に出馬し、大統領としての任期をさらに続けることを希望している」と述べた。

イ・ヘジン記者

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  • ▲イーゴリ・ギルキン氏の支持者が制作した2024年のロシア大統領選挙ポスター/テレグラム

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