「精神治療が必要」 飛行中にアシアナ機の非常口ドアを開けた32歳男性に執行猶予 大邱地裁

 今年5月、乗客約190人を乗せて大邱空港に向かっていたアシアナ航空機の非常口ドアを着陸直前に勝手に開けた30代の男に対し、執行猶予付きの懲役刑が言い渡された。飛行中の旅客機のドアを開けたケースは韓国ではこれが初めてだ。

【動画】非常ドアが開いたまま大邱空港に着陸するアシアナ機

 大邱地方裁判所(刑事5単独)は21日、航空保安法違反などの罪で逮捕・起訴された男(32)に対し、懲役3年、執行猶予5年を言い渡すとともに、保護観察および精神健康医学科での診療を命じた。男は5月26日、大邱空港の上空224メートル地点で、時速260キロで着陸態勢に入っていた旅客機の機内で突然非常口のレバーを勝手に操作してドアを開け、緊急脱出用のスライドを毀損(きそん)した罪で起訴されていた。

 当時、乗客12人が呼吸困難や手の震えなどの症状を訴え、このうち9人が病院に搬送された。男が毀損したスライドの修理費用は6億ウォン(約6600万円)以上と推算された。男は犯行の動機について「着陸の途中で航空機が爆発するような気がしたため、外に飛び降りようとした」と供述した。裁判所の精神鑑定結果によると、男は当時、心神耗弱(こうじゃく)状態にあったという。男は家族の住む大邱で病院の診察を受けるために、この旅客機に乗っていたことが分かった。

 裁判は「男は上空で旅客機の非常口のドアを開け、多くの乗客を危険にさらした。この行為が大きな事故につながる可能性もあったため、罪状は重い」としながらも「犯行を認めており、精神疾患の懸念があって定期的な診療が必要とみられるため、執行猶予を宣告する」と説明した。

イ・スンギュ記者

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  • ▲大邱空港の上空で旅客機の非常口のドアを開けた疑いで緊急逮捕された30代の男。/News1

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