「黄義助は見たくない」 サッカー韓国代表の資格を問う声殺到

 サッカー韓国代表FW黄義助(ファン・ウィジョ、31)=ノリッジ・シティFC=が21日、2026国際サッカー連盟(FIFA)北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の中国戦後半27分に交代出場した。その瞬間、大韓サッカー協会公式インスタグラムの最近の投稿の下に多数のコメントが寄せられた。「性犯罪の被疑者が韓国代表になってもいいんですか」「盗撮犯は代表チームで見たくないです」などというものだった。黄義助がこのほど、被疑者として警察に出頭したことについて言及する投稿だ。

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 事の発端は今年6月のことだった。黄義助と交際していたというA氏が、黄義助が女性と性的関係を持っている動画を交流サイト(SNS)に掲載した。この動画は「黄義助の動画」という名前でSNS上に拡散された。これに対して黄義助は同月、ソウル城東警察署に告訴状を提出した。

 そして今年8月、動画の中の女性B氏が「黄義助は性行為を違法に撮影した。処罰してほしい」と警察に要請した。B氏側は「黄義助が撮影する時、被害者がこれに同意したことはない」「気付いた時は嫌だという意思を明らかにし、撮影した直後に消してほしいと要求した」と言った。黄義助は今月18日、被疑者としてソウル警察庁サイバー犯罪捜査隊に出頭して取り調べを受けた。

 ところが、元交際相手だと主張した最初の流布者A氏が黄義助の実兄の妻だったことが22日、警察の捜査で分かった。A氏は夫と共に黄義助の海外行きに同行し、世話をするなど、事実上のマネージャー役を果たしてきた。警察は16日、A氏を拘束し、22日に送検した。

 動画の中の女性B氏の法律代理人を務めるイ・ウニ弁護士は「流布者の身元はこのたび分かった」「流布者が誰なのかよりも、違法撮影という犯罪行為と被害事実の方が重要だ。違法撮影をした動画を流布前に削除していれば、被害者が人格を傷付けられることはなかっただろう」と述べた。だが、黄義助側は「B氏の見解は事実とは違う」と言った。黄義助の弁護を担当する法務法人・大煥は22日、「関係時にスマートフォンをよく見えるところに置いて撮影した。女性も明らかにこれを認知し、応じた」と話した。動画を撮る前に相互の合意があったかどうかが事件の争点だということだ。

 これまで不祥事があった選手たちは全員、韓国代表チームを去った。サッカー韓国代表チームで58試合に出場したDF張賢秀(チャン・ヒョンス、32)は2018年に兵役特例の奉仕活動実績に関して虚偽の申告をしていたことが分かり、1週間もたたないうちに協会から除名された。野球選手の安佑鎮(アン・ウジン、24)=キウム・ヒーローズ=は2017年、学校暴力の加害者だと暴露されてから3カ月後、大韓野球ソフトボール協会から韓国代表資格停止3年の処分を受けた。3年以上資格停止を受けると、大韓体育会の規定によりオリンピックやアジア大会といった主要大会に出場できなくなる。

 大韓サッカー協会の関係者は、相次ぐ抗議について、「捜査が始まったので、ひとまず見守っている」と述べた。ユルゲン・クリンスマン韓国代表監督は中国戦が終わった後の記者会見で、「40年間のサッカー人生で多くの事件と推測に接して生きてきた」「何かが明確になるまでは、選手がスタジアムで実力を発揮できるようにしたい」と語った。

 フランス・サッカー協会は2015年、同国の看板ストライカー、カリム・ベンゼマ(35)=アル・イテハド=が性的関係の動画を利用してチームメイトを脅迫した容疑で捜査を受けるや、同選手を代表チームから外した。ベンゼマは復帰まで6年かかった。ブラジルのベテランDFダニエウ・アウベス(40)も昨年12月、女性に性的暴行を振るった容疑が持たれて以降、代表チームに招集されていない。

 どの国でも代表選手には品位維持と社会的責任感、道徳性、他人の模範になる義務を課している。国家代表とはそういう地位なのだ。

イ・ヨンビン記者

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