3600回違反した末に…北朝鮮、9・19南北軍事合意を破棄

 北朝鮮は23日「9・19南北軍事合意には拘束されない」として「この合意に従い、地上・海上・上空で中止していた全ての軍事行動を直ちに再開する」と発表した。韓国政府は北朝鮮による軍事偵察衛星打ち上げに対抗するため軍事境界線(MDL)付近における偵察活動を再開し、そのため9・19合意の一部効力を一時的に停止したが、北朝鮮はこれを非難し、翌日には9・19合意の全面破棄を宣言したのだ。

【表】北による相次ぐ違反内容と今後の挑発シナリオ

 北朝鮮国防省は同日発表した声明で、合意破棄の責任は韓国側にあると主張し「今後MDL地域に一層強力な武力と新型の軍事兵器を前進配備する」「合意書は『大韓民国』の意図的かつ挑発的な策動ですでに死文化し、かなり前からうわべだけになっている」と主張した。北朝鮮は2018年の合意締結から5年間に西海の昌麟島砲撃、非武装地帯の監視警戒所(GP)への銃撃、砲門の開放など合計3600回以上にわたり繰り返し合意に違反してきたが、それについては一切言及せず、逆に過去5年にわたり合意に違反していない韓国政府を激しく非難したのだ。韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は前日夜11時5分に平壌の順安周辺から東海に向け突然弾道ミサイルを発射した。

 韓国政府は直ちに反論した。韓国国防部(省に相当)報道官は北朝鮮に対し「事実関係を意図して間違って伝えている」「逆に開き直ったような行動に厳重に警告する」として北朝鮮を非難した。さらに「韓国軍は今後も北朝鮮の対応を鋭意注視し、国民を保護するための措置を検討していく」と述べた。

 韓国軍は同日から監視・警戒態勢を強化した。ある韓国軍関係者は「イージス艦や弾道弾監視レーダーを追加で運用し、北朝鮮の動きに対する探知力を引き上げている」「対空網についてはパトリオットと天弓2が戦闘待機状態に入った」などと明らかにした。韓国国防部(省に相当)の申源湜(シン・ウォンシク)長官は同日国会国防委員会に出席し「北朝鮮が9・19の効力停止を口実に挑発を仕掛けてくれば、直ちに、強力に、最後まで膺懲(ようちょう)する」と証言した。

 一方で韓国軍は今月30日に韓国軍として初めてとなる独自の偵察衛星を打ち上げる予定だ。この人工衛星は米カリフォルニア州のバンデンバーグ空軍基地からスペースXのロケット「ファルコン9」で打ち上げられる。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

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  • ▲韓国国防部(省に相当)の申源湜(シン・ウォンシク)長官/李徳熏(イ・ドクフン)記者
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