兵役逃れの歌手 ビザ発給求める訴訟で勝訴確定=韓国

【ソウル聯合ニュース】兵役を逃れるため韓国国籍を放棄して米市民権を取得した歌手のユ・スンジュンさん(46)が、駐ロサンゼルス総領事を相手取り韓国の旅券・査証(ビザ)発給拒否処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、韓国大法院(最高裁)は30日、審理不続行で上告を棄却した。原告勝訴の二審判決が確定した。法曹関係者が伝えた。

 ユさんは韓国で1997年にデビューしトップスターとして活動していたが、兵役を回避するために米市民権を取得し、2002年に韓国への入国が禁じられた。そのため在外同胞ビザを取ろうとしたがロサンゼルスの総領事館に発給を拒否され、これを不服として15年に拒否処分の取り消しを求める最初の訴訟を起こした。大法院は、ビザ発給拒否は違法との判断を示して審理を差し戻し、20年3月にユさんの勝訴が確定した。

 ユさんは新たにビザ発給を申請したが、「兵役義務の回避は国益を害する恐れがある」との理由でまたも拒否され、20年10月にロサンゼルスの総領事館を相手取り二度目の訴訟を起こした。一審はユさんの請求を棄却したが、二審は今年7月、発給拒否処分を取り消すべきだとする原告勝訴の判決を言い渡していた。

 二審判決が確定したことで、韓国政府はユさんに下したビザ発給拒否処分を取り消し、発給の可否をあらためて判断することになる。判決の趣旨にのっとりビザを発給すれば、ユさんは約20年ぶりに韓国入国が可能になる。

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