韓日は互恵的関係が可能 両国主導の経済ブロック形成を=韓国・SK会長

【ワシントン聯合ニュース】韓国の主要財閥・SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長は4日、韓国と日本の経済はそれぞれ低成長に直面しており、将来的に世界経済における地位の低下もあり得ると警鐘を鳴らした上で、韓日が主導する新たな経済ブロックの形成を提唱した。SKグループ財団の崔鍾賢(チェ・ジョンヒョン)学術院が米ワシントン近郊で主催した韓米日の元・現官僚と有識者、シンクタンクや財界関係者による対話の場で演説した。

 崔氏は韓国と日本がかつて世界貿易機関(WTO)のルールの中で得てきた恩恵はこれ以上望めないとし、供給網(サプライチェーン)をはじめとする経済安全保障など多くの環境の変化に適応する必要があると指摘した。大きな市場だった中国が供給網の全分野で実質的に強力なライバルになったとする一方、韓日については「経済的に実質的ライバルでなく、互恵的関係の形成が可能だ」と見込んだ。半導体とバッテリー、供給網分野で互いに利得が期待できるとした。

 韓国経済、日本経済とも低成長により10年後あるいはそれ以降、現在の地位を維持できない恐れもあるとし、韓日の解決策として「EU(欧州連合)のような経済ブロックを提案する」と述べた。この30~40年間の成長を支えた製造業中心の輸出の効力は失われたとし、「他の方法を講じなければならず、韓日には選択肢が多くない」と指摘した。

 これまでも崔氏は、経済パラダイムの転換には米国、中国、EUに次ぐ韓日主導の第4の経済ブロックが必要だと説いてきた。 

 同氏は韓日が新たな経済ブロックを形成した場合、中国とロシアが究極的に参加を希望する可能性もあり、これが北朝鮮問題解決の糸口になり得るとの見解も示した。ただし、それには5~10年の時間を要するだろうと述べた。

 また、韓日主導の経済ブロックが米国経済との有機的な結びつきによりウィンウィン(相互利益)の成果を出せれば、より大きな一つの経済ブロックに近づくと期待を示した。

 この経済ブロック形成の可能性に関し崔氏は演説後、記者団に「韓国社会が向き合う問題を一気に解決する方法はさほどない」と語り、「日本も認めているのだが、今は他の解決策がない。この案(経済ブロック形成)を推進するのが良いというのが、日本の財界でほぼ共通する声のようだ」と伝えた。

 今後、偏見の少ない韓日の若い世代がベンチャー創業・支援といった分野で活動しながら提案を生み出していくだろうと予想した。観光分野での両国協力の必要性にも言及した。

 韓日の製造業の協力については「海運、造船などの分野から始まり、鉄鋼なども協力が可能な分野に見える」と述べるなど、韓日協力による幅広い可能性に触れた。製造業関連データを共有すれば人工知能(AI)を活用して製造業をアップグレードし、競争力を一層引き上げることができると見込んだ。

 半導体分野の協力も「可能だ」と答え、「日本が持つ半導体の製造装置や材料などと、韓国が生産する半導体といったものがシナジー(相乗効果)を生み出せる」と強調した。

 さらに「一番規模が大きいのはエネルギー」と述べた。韓日ともにエネルギーを輸入に頼る状況は今後も変わらないとしながら「統合する形を取って共同で調達から使用まですれば、そのシナジーは数百兆ウォン(数十兆円)まで見通せる」との見方を示した。

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