ソウル高裁「アップルは1人につき7万ウォンを賠償せよ」…iPhoneの性能低下を知らされず精神的損害

 iPhoneのOS(iOS)をアップデートすることで生じる一部の性能低下についてアップルがユーザーにきちんと知らせず、精神的損害を与えたとする控訴審判決が出た。訴訟を起こした韓国国内のiPhoneユーザー7人に、アップルは7万ウォン(現在のレートで約7800円。以下同じ)ずつ慰謝料を支払わなければならない。

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 この事件は、2017年に一部のiPhoneユーザーが「OSをアップデートしたのに性能が目に見えて低下した」と主張したことで始まった。アップルが新型iPhoneの販売を増やそうとして故意に性能を落とすアップデートプログラムを配布した、という疑惑も提起された。これについてアップル側は「電源が切れる現象を防止するため性能管理機能を適用したが、(これが原因で)アプリ実行にかなり時間がかかることがあり得る」と知らせていた。だが、iPhoneのユーザーおよそ6万2800人は、18年3月にアップルを相手取って1人につき20万ウォン(約2万2000円)の損害賠償を求める訴訟を起こした。

 一審ではアップルが勝訴した。今年2月に一審裁判部は「アップデートで常時の性能低下が発生したかどうかの客観的な鑑定結果などは存在しない」とし「アップルがアップデートについて告知すべき義務もない」と判示した。

 しかし6日の控訴審判決ではアップルが負けた。ソウル高裁民事12-3部(裁判長:朴炯俊〈パク・ヒョンジュン〉部長判事)は「iPhoneユーザーはアップデートでアプリの実行が遅くなる現象が生じることを予想し難かっただろう」とし「アップルはiPhoneユーザーらに、アップデートするかどうか選択できるように十分な説明を行い、告知をする義務があった」と判断した。その上で「アップルは重要事項を知らせず、iPhoneユーザーはアップデートの実施に関する選択権または自己決定権を行使する機会を失った」「アップルには精神的損害について原告1人につき7万ウォンを賠償する責任がある」と判決を下した。

 ただしこの日、勝訴した原告の数は7人に過ぎなかった。一審の訴訟を起こしたおよそ6万2800人のうち、大多数は控訴しなかった。損害賠償請求権には消滅時効(3年)が適用されるので、追加訴訟で勝訴する可能性は低いと見込まれている。

パン・グクリョル記者

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  • ▲アップルストア明洞のロゴ(ソウル市中区)/写真=聯合ニュース

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