日本の高校生「読解力」が世界15位から3位に急上昇、その理由とは

数学・科学も4年で成績アップ、「コロナ休校が短かったから」

 日本は2000年代初めに詰め込み教育から脱し、創意性と人間性を重視するという趣旨の下、いわゆる「ゆとり教育」を大々的に導入した。直接知識を植え付ける授業の数が大幅に減った。しかし、基礎学力の低下、学力格差の拡大、PISA順位の急落などの副作用が相次いだことから、2007年に全国学力評価を復活させ、ゆとり教育を廃棄した。

 韓国も今回のPISAで善戦したとの評価を受けている。生徒たちの平均点数は全ての領域で4年前に比べて同程度か、これを上回った。2018年に比べて数学的リテラシーと読解力の点数は1点ずつ、科学的リテラシーは9点上がった。OECD諸国が得てして成績低下している状況で、韓国は成績を維持し、順位が上がるなど、コロナ禍の学校閉鎖やオンライン授業による影響が他の国々よりも少なかったことが分かった。

 休校の期間もオンライン授業を対面授業とできる限り同じような方法で進めるなど、教育当局の積極的対応のおかげと評価する声が上がっている。イ・ジュホ教育部(日本の省庁に当たる)長官は、今回の結果と関連して「コロナ禍以前から教室に無線インターネット網を設置するなどインターネット環境が整備されており、オンライン教育をする際も、生徒と教師がスムーズに対話することができた」とし「教師たちがオンライン授業のために積極的に努力し、献身的に取り組んだことも、学習面での損失を最小限にとどめることができた理由」と説明した。

 一方、今回のPISAを通じて携帯電話などのデジタル機器が学業成就度にかなりの影響を与えているという結果も出た。OECDが行ったアンケート調査の結果によると、授業時間にデジタル機器にょり集中力を欠いた生徒たちは、そのような影響を受けなかった生徒たちに比べて数学的リテラシーの点数が15点低かった。一方、デジタル機器を適切に使用した場合は、むしろ成績向上につながることが分かった。学校の学習活動で1日1時間までデジタル機器を使用する生徒たちは、機器を使用しない生徒たちに比べて数学的リテラシーの点数が14点高かった。OECDは報告書で「デジタル機器を適切に使用することは、むしろ学業成就に肯定的な効果が見られる。しかし、誤乱用することは否定的」とし「学校現場でデジタル機器の使用を巡りガイドラインがまとめられるよう願っている」と明らかにした。

東京=成好哲(ソン・ホチョル)特派員、キム・ヨンジュ記者

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