ソウル市教育長、教諭の権利・権威の失墜招いた「学生人権条例」廃止に反対

 児童・生徒の権利ばかりを強調した「学生人権条例」が教権失墜の一因だと指摘されている中、曺喜ヨン(チョ・ヒヨン)ソウル市教育監(教育長に相当)が13日午前、ソウル市鍾路区の光化門広場で、ソウル市学生人権条例廃止に反対する「1人デモ」をした。

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 曺教育監は同日、「学校に対する悪質なクレームや教諭の教育活動侵害などを学生人権条例だけのせいにする主張が最近相次いでいるが、同意できない」とした上で、「一方的な学生人権条例廃止は教育現場を再び混乱と確執に追い込むだろう」と主張した。

 しかし、「学生人権条例は学校現場でたびたび発生している混乱の原因だ」という指摘は多い。生徒の休息権を保障する条項により、授業中に生徒が寝ていても教諭が起こしにくくなった。また、差別禁止条項の場合では、教諭が特定の生徒を褒めると、他の生徒から苦情が出る根拠になった。ソウルで今年、教諭の自死が発生して以降は、学生人権条例がある市・道教育庁の一部で条例廃止や改正が推進されている。

 学生人権条例は2010年に京畿道でまず始まり、現在は6つの市・道教育庁で施行されている。忠清南道議会では今月15日に学生条例廃止案が表決に付される。ソウル市議会は教諭、児童・生徒、保護者全員の権利と責任を明記した「ソウル学校構成員の権利と責任に関する条例」を作ろうとしている。ソウル市議会教育委員会に来週、学生条例廃止案が上程され、本会議表決に付される予定だ。曺教育監は廃止阻止のため、22日までソウル市内の自治区を回りながら1人でデモするという。このため、教育界からは「教育政策の責任を負う教育監が、教諭と児童・生徒のための政策開発ではなく、政治家のように1人デモをするのは正しいのか」という批判の声も上がっている。ある教諭は「児童・生徒の義務はなく、権利ばかりを強調している学生人権条例の問題点が教室内で相次いで浮上しているのに、そのまま放置することはできない」と語った。

 教育部ではこのほど、教諭、児童・生徒、保護者の権利と責任をすべて明記した「条例例示案」を作成して各教育庁に配布した。しかし、韓国国家人権委員会の宋斗煥(ソン・ドゥファン)委員長は忠清南道議会とソウル市議会に「条例廃止を熟考してほしい」という見解を示し、一部市民団体も廃止に反対している。

チェ・ウンギョン記者

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  • ▲13日午前、ソウル市鍾路区の光化門広場で、ソウル市学生人権条例廃止に反対する「1人デモ」を行う曺喜ヨン(チョ・ヒヨン)ソウル市教育監。写真=news 1

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