中国に売るものがなくなった韓国、対中貿易収支が国交樹立後31年で初の赤字に【独自】

 18年に556億ドルを記録した対中貿易黒字はその後200億ドル台に縮小した。全体で過去最大の貿易赤字を出した昨年の対中貿易収支はかろうじて赤字を免れ、12億ドルの黒字にとどまった。しかし、半導体を除いた対中貿易黒字は18年の197億ドルから20年には25億ドルに急減した。21年には26億ドルの赤字に転落した。今年も半導体黒字を除けば、対中貿易赤字は300億ドルを超える。半導体黒字に隠れて対中貿易収支は黒字のように見えたが、他業種では既に赤字に転じていたのだ。

 中国の産業が急成長し、韓国製品が現地市場で市場を失いつつあるとの指摘もある。19年までは対中輸出で半導体、ディスプレーに続き3位だった石油化学製品は今年の輸出が前年に比べ21%急減する不振だ。石油化学企業関係者は「石油化学の中間原料やベースオイルのような汎用製品は現在では中国も生産している。コロナ以前は中国の自給率は60%程度だったが、今では90~100%というのが業界の分析だ」と話した。韓国が輸出していたものを中国が自力で生産するようになり、一部の高級製品を除けば、中国への輸出が難しくなった。19年の対中輸出が90億ドルを上回ったディスプレーは、今年さらに33億ドルにまで減少した。

 2010年代に中国で高い人気を集め輸出が急増した韓国製化粧品は、高級品はフランス、日本製などに押され、中・低価格品は現地製品に市場を譲り、過去のような人気はうそのようだ。

 一方、輸入は大幅に増えている。 20年代に入り、電気自動車(EV)時代が本格化し、輸入が急増した電池素材と二次電池が代表的だ。19年に54億ドルにとどまった電池素材の中国からの輸入額は、今年は年初来で2倍位上の125億ドルにまで増えた。二次電池も19年には輸入品目の10位以内にも入っていなかったが、寧徳時代新能源科技(CATL)、比亜迪(BYD)など中国製電池の輸入が増え、今年は中国からの輸入品目で3位となった。米アップルの製品だが、中国でほとんどが生産するiPhoneも対中貿易赤字の一因になっている。中国からの携帯電話輸入額は10月だけで10億ドルを超え、11月にも同程度を記録したと推定される。

■競争力低下が問題…市場の多角化必要

 政府による全面的支援と人口規模、巨大な内需市場を背景にした中国の製品技術力は今や半導体をはじめとする一部先端産業を除き、ほとんどが韓国に追いつき、韓国がこれ以上中国市場で優位に立つことは難しくなったと指摘されている。現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は、「今現実的に中国で売れる韓国製品は半導体以外には事実上ない。中国市場に未練を持たず、他の市場に目を向けるべき時だ」と話した。

趙宰希(チョ・ジェヒ)記者、イ・ジョング記者

【グラフ】31年ぶりに赤字に転換確実の対中貿易収支

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