故国に戻ってきた安重根の遺墨、19億5000万ウォンで落札…過去最高額

ソウル・オークションの19日の競売結果
推定額を大幅に上回り、歴代最高額

 1910年3月に安重根(アン・ジュングン)=1879-1910=が中国・旅順監獄で書いた遺墨が、韓国国内のオークションにおいて19億5000万ウォン(現在のレートで約2億1500万円。以下同じ)で落札された。安重根の遺墨の価格としては最高記録だ。

【写真】19億5000万ウォンで落札された安重根の遺墨

 19日午後、ソウル・オークション江南センターで開かれた第176回美術品競売に出品された安重根の遺墨「竜虎之雄勢 豈作蚓猫之態」(竜虎の雄勢、豈に蚓〈いん〉猫の態を作〈な〉さんや)が、推定額5億-10億ウォン(約5500万-1億1000万円)を大幅に上回る高値で新たな主人に買い取られた。これまで安重根の遺墨で最高額が付いた作品は、2018年に7億5000万ウォン(約8300万円)で落札された墨書「乗彼白雲至于帝鄕矣」(彼の白雲に乗りて帝郷に至る)だった。

 安重根は、死刑を言い渡された1910年2月14日から3月26日の執行直前まで、監獄において多数の書を残したといわれている。安重根の死が確定した後、日本人官吏や看守が先を争って書を求めたという記録がある。

 日本の個人コレクターが所蔵していたこの遺墨は、これまで韓国国内の学界では全く知られておらず、注目を集めた。「竜・虎の雄壮な勢いを、どうして蚓(みみず)・猫の姿と比肩できようか」という内容で、「庚戌(こうじゅつ)三月於旅順獄中 大韓国人安重根書」というサインと共に手形がはっきり押されている。誰がどのような理由で最初に所蔵するに至ったは分からないが、韓国国内の個人コレクターに落札され、113年ぶりに故国の懐に抱かれることとなった。

許允僖(ホ・ユンヒ)記者

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  • ▲写真提供=独立記念館
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