イチゴ1キロ220円…韓国では高くて食べられないのに中国では価格暴落

北京の卸売市場、各品種とも価格が20-60%下落
栽培面積拡大に気候の好条件が重なり供給過剰に
韓国のイチゴ価格は高止まり…作柄不良で生産量急減

 中国でイチゴの価格が急落した原因は、供給過剰だ。「中国のイチゴ産業の発展動向分析および投資展望」と題する報告書によると、中国のイチゴ生産量は2011年の201万トンから21年には368万トンへと10年で83%増加した。全世界の総生産量のうち3分の1以上に当たる規模だ。中国は国内でイチゴの消費量が増えると、これに合わせて栽培面積を拡大したが、今年は気候条件がイチゴの栽培に最適だったため、供給があふれた。業界では、今年の生産量は600万トンに達するとの見通しが出ている。今年の栽培面積が前年比で12%増加したことまで考慮した数値だ。

 この状況は韓国と正反対だ。韓国では最近、イチゴの価格が急騰し、イチゴを使ったドリンクやパン、ケーキなども一斉に値上がりしている。天候不順などの影響で作柄が芳しくなかった上、栽培農家の高齢化による労働力不足で出荷面積も減少し、供給量自体が減ったのが原因だ。韓国農水産食品流通公社(aT)によると、今月初めにソウル市内の可楽市場で行われたせりで、イチゴ2キロ(特級)は5万1612ウォンを記録した。前年同期(4万1934ウォン)に比べて23%上がったのだ。

 中国ではイチゴの価格下落によって農業関係者も経済的に大きな打撃を受けている。業界関係者は「多くのイチゴ農家で所得が減少し、中には損失が出ているケースもある」と話した。中国現地メディアが紹介したイチゴ農家は、昨年6666平方メートル規模でイチゴを栽培し、666平方メートル当たり1万元を稼いだ。そのため今年は栽培面積を1万3332平方メートルに拡大したところ、666平方メートル当たりの収入は逆に昨年の5分の1(2000元)まで少なくなったという。

 中国ではイチゴ産業の成長が頭打ちになったとの声も出ている。業界関係者は「技術革新と品種改善によってイチゴの大規模生産が促進されてきたが、収穫量を増やしすぎて需要と供給のアンバランスが発生した」として「巨大な生産能力を、市場が効果的に吸収できずにいる」と指摘した。

北京=イ・ユンジョン特派員

【写真】韓国産のハンラボン・アロニア・新高梨…栽培農家増えては暴落の繰り返し

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  • ▲北京市内の新発地農産物卸売市場で売られているイチゴ。19日撮影。/イ・ユンジョン記者

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