音楽番組に振付師の氏名表示へ AI関連著作権の活用基準も提示=韓国政府

【ソウル聯合ニュース】韓国政府が人工知能(AI)技術の商用化に伴う著作権市場の混乱を最小化するため、AI関連の著作権活用基準を提示する。また、著作権保護が相対的におろそかにされていた振付師らを支援するため、音楽番組で作曲家、作詞家とともに振付師の氏名を表示させる方針だ。柳仁村(ユ・インチョン)文化体育観光部長官が27日、こうした内容を柱とする「著作権強国実現4大戦略」を発表した。

 文化体育観光部は、2022年から27年にかけ著作権産業の規模を244兆8000億ウォン(約27兆円)から430兆ウォンに、著作権の輸出額を155億ドル(約2兆2100億円)から250億ドルにそれぞれ引き上げることを目指す。違法複製物の利用率低下、著作権料の徴収額の拡大にも取り組む。

 これに向け、同部は▼AIへの先制対応▼著作権の死角解消▼著作権産業の透明性向上▼海外でのコンテンツ違法流通への積極対応――という四つの戦略を提示した。

 まず、「生成AIの著作権案内書」を公表してAI関連の著作権活用基準を示す。案内書にはAI事業者と著作権者、利用者に向けた案内とあわせ、「人間の創作的な介入のないAI産出物」に対する著作権登録は不可能だとする説明も盛り込んだ。

 振り付けや建築といった、著作権保護が相対的におろそかになっていた分野に対する支援も強化する。音楽番組で作曲家、作詞家とともに振付師の氏名を表示させて氏名表示権を保護し、振付師らの著作権登録、法律相談などをサポートする計画だ。建築分野では、業界団体などと協力して公募展のモニタリングを強化し、著作権全部の譲渡を強要するといった不公正な慣行の是正に取り組む。

 著作権産業の透明性向上に向けては、著作権法を改正して信託著作物の利用者(音楽配信サイトなど)の使用情報提出義務を強化する。また、主な海外市場を調査して国内の音楽配信事業者に現地の情報を提供するとともに、国内外の著作権信託団体間の相互管理契約締結も支援していく予定だ。

 海外でのコンテンツ違法流通に対応するため、国際協力も強化する。捜査の情報・技法の共有や共同捜査を柱とする米国の国土安全保障捜査局(HSI)との業務協定モデルをインドネシアなどに広げる方針だ。

 柳長官は「著作権は持続的な成長に欠かせない要素であり、国の経済をリードしていく中核資産だ。時代と環境に合わせて著作権法と関連制度を見直し、著作権強国を実現するため最善を尽くす」と話している。

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