「1カ月前に習った通りに」 韓国10代姉妹、エレベーター内で倒れた60代女性に心肺蘇生

 韓国・大田市内のエレベーター内で隣人が突然倒れた直後、一緒に乗っていた10代の姉妹が周囲に直ちに支援を要請し、応急手当を行った。2人の素早い対応で隣人は無事意識を取り戻すことができた。

【写真】心肺蘇生法を行う16歳の姉と電話をかける14歳の妹

 対応にあたったのは西大田女子高校1年生のイ・ヘミンさん(16)と桃馬中学校2年生のイ・ヨンミンさん(14)だった。大田西部消防署が14日に明らかにした。2人は11月11日午前8時32分ごろ、大田市西区桃馬洞のあるマンションのエレベーター内で突然意識を失って倒れた近くに住む60代の女性に心肺蘇生法を施して命を救った。

 エレベーターの監視カメラに記録された当時の状況を確認すると、まずヨンミンさんがドアが開けて直ちに女性を外に出し、周囲に支援を要請した。その後ヘミンさんが近づいて脈を確認し、両腕をまくって心臓マッサージを行った。それから約1分後に消防隊員が到着し、バトンを引き継いで状況は一段落した。

 女性はその後息を吹き返して意識を取り戻したという。

 このように2人が落ち着いて行動できた理由は、学校で心肺蘇生法の教育を受けていたからだ。特にヘミンさんはちょうど1カ月前に蘇生法の実習を受けていたという。聯合ニュースによると、ヘミンさんは「学校で心肺蘇生法を習った時は心の中で『こんなのいつ使うのだろう』と疑問に思っていたが、実際に今回の状況を目の当たりにすると学校で人形相手に実習したことを思い出した」「今回のことをきっかけに、今後も心肺蘇生法に慣れて覚えておかないといけないと思った」と語ったという。

 ヨンミンさんも「学校で心肺蘇生法について習ったが、実際に私がこんなことを体験するとは思わなかった」「最初はとても驚いて何も考えられなかったが、姉ちゃんの言うとおりにだけやった」と述べた。当時ヨンミンさんは姉のすぐ横で女性の手や腕、脚などをマッサージしていたという。

 2人は倒れた隣人を助けた功績が認められ、「市民ハートセーバー」の認証書とバッジが授与された。市民ハートセーバーとは心肺蘇生法あるいはAEDなどを使って心肺停止の患者を助けた市民に与えられる賞だ。大田消防本部の関係者は「心肺停止の患者にとって最も重要なことは、いかに素早く心肺蘇生法を施すかにある」「直ちに応急措置が必要な急を要する現場で大切な命を守った姉妹の勇気に深く感謝したい」とコメントした。

パク・ソンミン記者

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