輪島市内は戦場よりひどい廃墟…「人が下敷きになっている」相次ぐ通報 本紙東京支局長ルポ

能登半島地震に見舞われた石川県輪島市ルポ

 倒壊した7階建てビルから徒歩で約20分離れた「朝市通り」は爆撃を受けたかのような廃虚と化した。この場所が魚・乾物・農産品・服などを売って、早朝からにぎわっていた1000年の歴史を持つ市場であり、観光名所だったということを察するのは難しかった。1日の地震発生後に火事となり、住宅・商店など200棟が灰になった。木造家屋は完全に消え、コンクリートの建物は骨組みだけが残り、平地の上には炭の塊ばかりとなった焼け野原のようだった。フレームしか残っていないジープからは焼け焦げたにおいがした。火が消えて二日たったが、あちこちから白煙が上がっていた。2人の子どもを連れて通りかかったゴンイチさん(43)は「火災時、消防車の数はおろか、火を消す水も不足していた上、風も強くて、どうしようもなかったと聞いた。政府はまだ火災による死亡者数を発表していないが、ここの住民の相当数が死亡したと町の人々が話している」と言った。

 輪島市内の宿泊施設はすべて閉まっていた。客室数が220室と同市で最も大きなホテル「ホテルルートイン輪島」は入口の自動ドアに「手動開閉」と書いてあった。海岸に隣接した7階建てのホテルは地震のあった日の津波警報時に臨時避難施設になった場所だ。近隣住民がすぐに避難できる最も高い建物だったからだ。ホテルのスタッフは「市内で宿泊施設を見つけることはできないだろう。当ホテルも地震で建物が傾いたため営業を中止した。いつ再開できるかは未定だ」と言って、代わりに48カ所ある避難所のリストを渡してくれた。このスタッフは「定員がいっぱいで、受け入れてくれる所があるかどうかは分からない」と語った。

 災害のたびに冷静沈着な対応をすることで有名な日本だが、全世界で横行している交流サイト(SNS)を通じたフェイクニュースを避けることはできなかった。NHKは3日、地震発生後、「人工地震」に関するSNS投稿が計25万件(否定する内容を含む)あり、多いものは850万回閲覧されたと報道した。今回の地震が自然災害と関係のない人工地震だという陰謀論がSNSを中心に広がっている状況が確認されたものだ。

輪島市(石川県)=成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

【写真】地震で倒壊したビルや家屋…本紙東京支局長が撮影した輪島市内の様子

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  • ▲3日午後、一面焼け野原になった石川県輪島市「朝市通り」の様子。1日に発生したマグニチュード(M)7.6の能登半島地震とそれに伴う火災で、朝市通りの建物のほとんどが焼失した。写真=成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長
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