落書き被害の景福宮外壁 復旧作業8割終了=犯人に費用請求へ

【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウルにある朝鮮王朝時代の王宮・景福宮の外壁が昨年12月、スプレー塗料で落書きされた事件で、文化財庁は4日午前、景福宮の迎秋門と国立古宮博物館の通用門周辺に設置していたフェンスを撤去し、落書きの消去と緊急保存処理作業を終えた外壁を公開した。

 文化財庁によると、昨年12月16日から17日にかけて2回にわたり落書きされた外壁の範囲は、迎秋門の左右12.1メートルと国立古宮博物館周辺の24.1メートルの計36.2メートルに上る。

 国立文化財研究院と国立古宮博物館の保存処理専門家らは、スチーム洗浄やレーザークリーニングなど化学的方法と物理的方法を用いてスプレー塗料の跡を消す作業を行ってきた。一次作業は終了し、今後外壁表面の状態を点検した後に保存処理を終える予定だ。

 文化財庁の関係者は「冬季という季節的要因と石材の状態を踏まえ、汚染物質を除去するための応急復旧を中心に作業が行われた」として「現時点で進捗(しんちょく)率は80%程度」と説明した。

 寒波により作業が中断された期間を除き、計8日間行われた落書きの消去作業には延べ234人、1日平均29.3人が投入された。

 スチーム洗浄機やレーザー洗浄機などのレンタルに946万ウォン(約103万円)、作業に必要な防塵服や手袋、作業靴などに約1207万ウォンの計2153万ウォンを要した。

 作業に携わった専門家の人件費などを含めると、費用は大幅に膨らむ見通しだ。

 文化財庁は、専門家の人件費などを含む費用を鑑定機関に依頼して算出した後、犯人に損害賠償を請求する予定だと述べ、関係機関と協力して強力に対応する方針を示した。

 また、今後同様の事件が起こらないよう、ソウルにある朝鮮王朝時代の4大王宮(景福宮、昌徳宮、昌慶宮、徳寿宮)、宗廟、朝鮮王陵など主な文化遺産の安全管理を強化する内容の対策も発表した。

 景福宮では人通りの少ない夜間に2~4回行っていたパトロールを8回に増やし、防犯カメラを14台から34台に増やす方針だ。

 これにより、2025年までに主要王宮、宗廟、朝鮮王陵に計110台の防犯カメラが設置されることになる。

 加えて、落書き禁止などを韓国語、英語、日本語、中国語で呼びかける案内板を32カ所に設置し、リーフレットも配布する。

 文化財庁は、他の文化遺産についても管理に問題がないか確認する予定だ。

 来月までに各地方自治体と共同で落書きされる恐れがある部分を把握し、管理状況を毎月点検する。

 点検員も現在の130人から25年までに160人に増やす。 

 また、国民申聞鼓(オンブズマン)と連携して運営している「文化財毀損申告」制度を周知し、通報者に褒賞金を支給する制度なども検討する計画だ。

 文化財庁は「今後、国家遺産が再び毀損されることがないよう関連法令を厳正に適用し、容赦なく強力に対応する計画」と説明した。

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