「90秒ルール」もこの素材があってこそ可能だった…羽田の奇跡を生んだもう一つの要因とは

航空機の「炭素繊維複合材料」が延焼速度を遅らせる

「90秒ルール」もこの素材があってこそ可能だった…羽田の奇跡を生んだもう一つの要因とは

 東京・羽田空港で2日、日本海上保安庁の航空機と衝突した日本航空(JAL)旅客機の機体の半分以上は耐火性に優れた炭素繊維複合素材で作られていたことが分かった。乗客・乗員全員(379人)が「90秒ルール(事故時90秒以内に脱出するという基準)」に従って脱出できたのは、この素材により火が機内に広がる速度を遅らせ、時間を稼いだおかげだったという分析だ。炭素繊維複合材料でできた航空機が全焼するほどの大型事故が発生したのは今回が初めてで、素材の安全性が初めて実際に検証されたという見方もある。

【図】「90秒ルール」による機内での避難状況

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)などによると、今回の事故が発生したJAL旅客機の機種はエアバスA350-900で、翼を含む機体の53%が炭素繊維複合材料でできているとのことだ。これは宇宙船など航空宇宙産業に主に使われる先端素材で、エアバスやボーイングなどの航空宇宙機器メーカーでは最近、機体の重量を減らして燃料効率を高めようと、同材料の使用量を増やしている。航空専門家らは「炭素繊維複合材料の燃焼点はこれまで航空機製造に多く使われてきたアルミニウムより低いが、これとは別に火災が広がる速度を落とす特性がある」と話す。このため、機体外部で発生した火や熱の機内進入を抑え、乗客・乗員脱出の「ゴールデンタイム」を稼いだということだ。ある航空エンジニア専門家は同紙に「(旅客機に使われた)炭素繊維が熱遮断機能を提供した」と語った。また、航空宇宙設計専門家は、炭素繊維複合材料の航空機が燃料効率に優れているということから、「機体に残っていた燃料の量が比較的少なかったため、潜在的な爆発を防いだのだろう」とも言った。

 ある航空ジャーナリストは英紙テレグラフに「今回の事故で炭素繊維複合材料が火災拡大を遅らせるということが実際に確認された」と述べた。同紙によると、A350は世界の航空機の中で炭素繊維複合材料の割合が最も高く、現在約570機が運航されているという。一方、読売新聞は「JALは今回の事故で150億円の損害を被った」と伝えた。事故で全焼した旅客機は2021年11月にJALに引き渡された。

キム・ドンヒョン記者

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