「血のりで演出」「スマホケースで刺した」 フェイクニュースが氾濫する共に民主・李在明代表襲撃事件

 韓国最大野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表襲撃事件以降、インターネット上にはフェイクニュースがあふれている。特にコピー&ペーストや引用投稿がすぐに行われる交流サイト(SNS)を通じて虚偽情報(フェイクニュース)が拡散している。これに加えて政治系ユーチューバーが「背後に特定の政治勢力がいる」などの説を取りざたするなど陰謀論を唱え、根拠のない主張がネット上に飛び交っている。

【表】李在明代表襲撃関連のフェイクニュース

 4日、フェイスブックやインスタグラムなどには「割り箸に血のりを付けて演出したものだ」「李在明代表を刺したのは刃物ではなくスマホケース」などの投稿が多数掲載された。あるネットユーザーはX(旧ツイッター)に「刃物ではなく李在明代表の応援グッズであるペンライトの持ち手で刺した」と投稿した。左派系ジャーナリスト・金於俊(キム・オジュン)氏も3日、自身のユーチューブ・チャンネルで、「李在明代表襲撃に使われた凶器は刺身屋か肉屋で使う包丁」と言ったが、どちらも事実ではない。釜山警察庁によると、李在明代表襲撃に使われた凶器は登山用ナイフだとのことだ。

 さらに、一部の政治系ユーチューバーは陰謀論をあおっている。金於俊氏は4日午前、自身のユーチューブ・チャンネルで、「李在明代表襲撃は間違いなく計画的な犯行だ。その背後を解明しなければならない」と、犯行を指示した与党関係者がいることをにおわせた。この動画の下には「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が『金建希(キム・ゴンヒ)特別検察官法問題』を覆い隠すために指図したものだ」「金建希夫人が送った刺客がやった」など、特定人の介入を疑うコメントが多数寄せられた。しかし、警察は3日の記者会見で、「容疑者の単独犯行と推定される」と述べている。

 西江大学メディア・コミュニケーション学科のユ・ヒョンジェ教授は「フェイクニュースはコピー&ペーストや引用投稿がすぐにできて匿名性の高いSNSで急速に増幅される。虚偽情報が含まれているリンクをカカオトークやテレグラムなどのSNSに直ちに転載できるため、フェイクニュースは手の施しようもなく広がる」と語った。専門家らは「特にユーチューブで、いわゆる『サイバーレッカー(話題になる事件を利用してネット上に拡散させ、再生回数を稼ぐ人物)』たちが確証のない情報をコピーしたり拡散させたりしている」と分析した。

 与野党ともこのようなフェイクニュースに強硬に対応するとの見解を示している。共に民主党の洪翼杓(ホン・イクピョ)院内代表は「李在明代表を狙った陰謀論は明白な2次テロであり、法的対応を取る。党レベルで対策機構を作り、後続の対応をする」と述べた。与党・国民の力の尹熙晳(ユン・ヒソク)報道官も「現在の状況をしっかり直視し、あらゆる陰謀論やフェイクニュースに厳しく対応する」と述べた。

パク・ヘヨン記者

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  • ▲3日、ユーチューバー約30人が集まり、各自スマートフォンの自撮り棒を手に持ったり、三脚を設置したりして、病院前の状況をリアルタイムで配信していた。写真=コ・ユチャン記者
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