一日一食の被災者、現地入りしない首相…能登半島地震発生から1週間、理解に苦しむ場面の数々

 非常災害対策本部長の岸田文雄首相は、ヘリコプターに乗ればすぐに被災地に入れるにもかかわらず、現時点で一度も現地を訪れていない。4日にBSフジの番組に出演した岸田首相は「現場にはいつ行くのか」との質問に「可能な限り早いタイミングで訪問したい」として「現地は大変な状況にあるため、しっかり確認した上で適切な時期を考えたい」と述べた。岸田首相は5日には経済団体とメディアが主催する三つの新年会に相次いで出席した。経団連など経済3団体、日本労働組合総連合会、時事通信がそれぞれ主催した新年会だ。少なくとも、時間がなくて被災地に行かないわけではないようだ。

 さらに、防災担当機関である内閣府の神田潤一政務官は、地震翌日の2日、SNSに「今日は完全オフ。箱根駅伝をラジオで聞きながら、2日前に降った雪を踏みしめて10.8キロ走った」と書き込んだ。災害が発生したにもかかわらず、平和な日常生活を送ったことを報告したわけだ。日本のネットユーザーの間では「凍りそうな体育館や自動車の中で、死と隣り合わせの状態でこの瞬間に夜を過ごす被災者の気持ちを少しでも考えるなら、こんな行動はできない」「崩壊した家屋に生き埋めになった国民が多数いるのに、岸田首相はテレビで笑いながら話していていいのか」などと批判が起きている。

 能登地震の死亡者は6日に100人を超えてからも増え続けており、7日午後の集計では128人となった。「連絡が取れない」安否不明の住民が約200人いるため、死亡者はさらに増える可能性が高い。日本の国土地理院は、今回の大地震によって石川県の海岸沿いで海底の地盤が隆起して海上に現れ、陸地が240ヘクタール以上増えたと明らかにした。人工衛星で観測した結果、海岸線およそ85キロにわたる広い範囲で地面が数メートルずつ盛り上がったことが分かった。

東京=成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

【写真】地震で倒壊したビルや家屋…本紙東京支局長が撮影した輪島市内の様子

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  • ▲地震による被災者の避難所となっている石川県輪島市門前町の市立西小学校体育館で3日に朝食として被災者らに配られたおにぎりなどの食料/成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

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