金河成に朴孝俊、そして大谷翔平【コラム】

 大リーグはチャンスの地であることに違いはないが、決して甘くもない。その舞台に立つ実力を備えるまでは、すなわちマイナー段階では全てのことを自ら行っていかなければならない。成人したばかりの幼い選手にとって、言葉も通じない異国の地、それも設備の整っていないマイナーの旅路に耐えて生き残っていくというのは容易でない。決められた練習メニューをこなすことに慣れてきた高校野球の選手たちにとって、自分の意志で自らを管理していく米国野球は全くもって不慣れな場所なのだ。引退したある大リーグ選手は「高校卒業後、すぐに渡米するのは危険な賭博」と指摘した。マイナー生活がどれほど苦しいかを知っているからだ。朴孝俊以前はもちろん、その後も超高校級と評される数多くの韓国の高校野球の選手たちが米国の門をたたいたものの、秋信守(チュ・シンス)を除いてはほとんど挫折した。

 成功には時があるものだ。夢と意欲にたけていたとしても、十分な備えがなければ成功するのは難しい。結果論ではあるが、金河成と大谷は時を待ち、朴孝俊は道を急いだ。全てが個人の選択であり責任であるとはいえ、才能を抱きながらも時を読み間違えることで光を垣間見ることができない現実は残念だ。日本人選手たちはこのような実情にいち早く気付き、高卒メジャーへの無理な直行は控える傾向にある。韓国からは毎年のように挑戦者が名乗りを上げている。挑戦そのものは美しい。ただ、綿密に準備したのか、もう一度振り返ってほしい。

李衛栽(イ・ウィジェ)記者

【図】歴代のプロスポーツ選手の大型契約額と、韓国人メジャーリーガー柳賢振の契約額

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