サムスンの指輪型ウエアラブル機器 「年内発売を計画」=スマホ事業トップ

【サンノゼ聯合ニュース】韓国・サムスン電子のスマートフォン(スマホ)事業トップ、盧泰文(ノ・テムン)MX事業部長(社長)は17日(現地時間)、米カリフォルニア州サンノゼで開いた新製品発表会で人工知能(AI)を搭載したスマホ「ギャラクシーS24」シリーズを公開した後に記者会見を行い、スマートリング「ギャラクシーリング」を年内に発売する計画を明らかにした。

 ギャラクシーリングは健康管理のための指輪型ウエアラブルデバイスで、同社はこの日発売を予告する映像を公開した。

 盧氏はまた、昨年発売した「ギャラクシーS23」には使用しなかった自社製アプリケーションプロセッサー(AP)「エクシノス」を北米以外で販売するS24シリーズに搭載したことについて「性能と安全性を確保した」と自信を示した。

 昨年発売したモバイル機器についてもアップデートの際にAI機能を追加する計画を示した。以下は盧氏との一問一答。

――ギャラクシーリングのティーザー映像がサプライズ公開された。発売時期は。

「年内の発売を計画している。モバイルヘルスがますます重要になり、デジタルヘルスへと発展している。これまでは(消費者の需要に対しサービスを提供する)オンデマンドだったが、それだけでは普段の体調を持続的に管理したり、アドバイスを受けたりすることはできなかった。『オールウェイズモニタリング』が重要だ」

――ギャラクシーリングの長所は。

「(スマートウオッチの)ギャラクシーウオッチにも長所があるが、常時着用することに対して不便さを感じる消費者もいる。本当の意味での24時間、1週間、365日必須情報を(健康管理アプリの)サムスンヘルスに送信し、分析するにはギャラクシーウオッチだけでは足りない。リングというフォームファクター(機器)はデジタルヘルス、サムスンヘルスの完成のために必要だと考える」

――ギャラクシーリングがウオッチより優れている点は。

「ウオッチよりも着用する負担感が少ない。リングはヘルスに特化したため、(バッテリーが)はるかに長持ちする。充電回数も減り、長く使える。着用しやすく長時間使用できるため、デジタルヘルスを完成するのに必要なフォームファクターだと考えている」

――エクシノスAPはS23には使われなかったが、S24には搭載された。その理由は。

「われわれはギャラクシー製品を、常に最適なソリューションで最高の体験を提供するという原則に基づいて複数のプラットフォームで企画し、共同開発している。エクシノスも数年前から設計した通りの性能と安全性を確保したことを検証で確認したため、S24とS24プラスに適用した。使ってみれば、最適化されたレベルに達したことを感じるだろう」

――エクシノスの使用はコスト削減効果を狙ったものではないのか。

「製品が発売されると多くの専門家が評価する。エクシノスの完成度が高まったことが確認できるだろう。コスト削減は全く考えていない。一部で価格が下落または上昇したのは為替レートのためだ」

――AIサービスの有料化も検討するのか。

「AIの有料化はこれからスタートする段階で、今すぐには検討していない」

――S24シリーズでは米グーグルと協業したが、他の企業との計画は。

「グーグルをはじめとするパートナーシップは、われわれが追求を続けるオープン型協力の哲学の下で推進されている。今回はグーグルと協力した部分が多く反映されたが、他の協力会社とも議論している。最適のソリューションを各モバイル分野に適用する」

――米調査会社のIDCによると、昨年のスマホの出荷量が米アップルに抜かれた。

「これまでのわれわれの強みは、世界にあらゆるグレードの製品を供給することだった。しかし、このような部分が少しずつ弱まっているという点で深刻に受け止めている。これを改善するため、セールスマーケティングや製品競争力など全部門を強化し、早期に回復させたい」

――ギャラクシーAIは旧モデルにも提供されるのか。

「上半期中に、昨年発売したS23シリーズ、フリップ5、フォールド5、(タブレット端末の)ギャラクシータブS9などに対しアップデートを行う計画だ。年内に約1億台のモバイル機器にギャラクシーAIを提供できると見込んでいる。ただ、ギャラクシーAIはS24シリーズに最適化されているため、ハードウエアが許容するレベルなどを踏まえると以前のモデルで使用できるギャラクシーAIの機能は80~90%になるだろう」

――最上位機種の「S24ウルトラ」は価格が約10万ウォン(約1万1000円)値上がりした。理由は。

「価格政策については悩むことが多かった。さまざまな困難があるが、S24とS24プラスは昨年と同水準(の価格)を維持した。ただ、ウルトラは最高のソリューションを提供することを目指し、技術革新の頂点にある。カメラもアップグレードし、(米特殊ガラス大手)コーニングの新しいガラスを使い、チタンを用いて耐久性を強化するなど、さまざまな技術を取り入れた」

――ギャラクシーS24から基本ソフト(OS)のサポート期間を4年から7年に延長した理由は。

「モバイル市場が厳しさを増す中、ハイエンド(高級品)需要はさらに成長している。韓国など多くのユーザーがプレミアム製品をより長く使おうとするニーズがある。プレミアム製品を負担を減らしながら引き続き使用できるよう、消費者が望む方向に合わせることになった」

――ギャラクシーAIによってバッテリーの減りが早くなるのではないか。

「心配するほど電流の消耗はない。クラウドやインフラベースではなく、機器を基盤とすることはあらゆる技術の実現において最も重要な必須条件の一つだ。S24を使う時もアップデートの時も、使用時間が大幅に減るのではないかという心配はいらない。最適に(製品を)提供する」

――リアルタイム通訳機能は、既存のアプリとどのように差別化したのか。

「通訳・翻訳サービスはこれまでたくさんのアプリが存在した。ギャラクシーAIが提供する通訳はインターネットに接続せず、海外ローミングでもオンデバイスで処理するという強みがある。そのため、セキュリティーやプライバシーの面でもメリットがある。必要な時にアプリを起動する必要がなく、対応言語が増えていくという長所もある」

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