尹美香議員、「ベトナム戦争当時の韓国軍による民間人虐殺真相解明特別法」制定求める…参戦者団体反発

尹美香議員、「ベトナム戦争当時の韓国軍による民間人虐殺真相解明特別法」制定求める…参戦者団体反発

 無所属の尹美香(ユン・ミヒャン)議員は1日、国会で「ベトナム戦争当時の韓国軍による民間人虐殺真相解明特別法」の制定を求める記者会見を行った。尹美香議員は昨年6月に自ら代表としてこの特別法を提出したが、そのポイントは「ベトナム戦争当時、大韓民国軍は現地で民間人虐殺、遺体の毀損(きそん)、性暴力などを行った」としてその真相を解明する調査委員会を設置することだった。尹美香議員が提出した法案には野党・共に民主党のカン・ミンジョン議員と閔炯培(ミン・ヒョンベ)議員、革新系野党・正義党の姜恩美(カン・ウンミ)議員と張惠英(チャン・ヘヨン)議員、進歩党の姜聖熙(カン・ソンヒ)議員、基本所得党のヨン・ヘイン議員ら12人が共同提出者となっている。尹美香議員は同日行った記者会見で韓国政府に対し「謝罪し責任を果たせ」と求めた。

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 韓国軍とベトナム戦争の元参戦軍人らによる複数の団体は「尹美香議員は事実に反する主張を行い、元参戦軍人らの名誉を著しく傷つけている」と反発した。韓国国防部(省に相当)とこれらの団体はベトナム戦争当時の現地民間人虐殺などについて「確認された内容は全くない」との立場だ。

 元参戦軍人らによる複数の団体は「尹美香議員は事実を巧妙にねじ曲げ、歪曲(わいきょく)した主張を行っている」と批判した。尹美香議員は特別法を提出するに当たり「民間人虐殺などについては金大中(キム・デジュン)元大統領と盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が謝罪の意向を示し、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領もベトナムを訪問した際に遺憾の意を表明した」と主張している。しかし韓国政府が実際に民間人虐殺に言及し謝罪したことはない。金大中元大統領は「両国の間にはかつて不幸な時期があった」、盧武鉉元大統領は「韓国国民は心に負債がある」、文在寅前大統領は「両国の不幸な歴史に遺憾の意を表明する」などと述べただけだ。ベトナム政府も韓国政府に対して謝罪や賠償を要求したことはない。

 尹美香議員は自ら配布した資料の中で「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は被害から顔を背け、真実を歪曲している」と主張した。しかしベトナム戦争の民間人被害疑惑が最初に浮上したのは金大中政権当時の1999年だった。

 越南戦参戦者会と枯れ葉剤戦友会は同日電話取材に応じ「根拠のない主張で韓国政府と参戦勇士を侮辱する尹美香議員に深刻な遺憾を表明する」と述べた。これらの団体は尹美香議員を糾弾する関連集会なども準備中だという。

 ソウル中央地裁は昨年2月、ベトナム人のグエン・ティ・タンさんが韓国政府を相手取った訴訟で「ベトナム戦争当時、人権侵害などの不法行為があった」と認め、韓国政府に賠償を命じる判決を下した。これに対して韓国政府は控訴し、現在二審が進行中だ。韓国国防部は「判決は認められない」とコメントした。

パク・サンギ記者

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