朴槿恵元大統領が獄中メモ公開 「互いを思いやり良い韓国を」

【ソウル、大邱聯合ニュース】約4年9カ月にわたり収監されていた朴槿恵(パク・クネ)韓国元大統領が2021年の晩秋に獄中で書いた自筆メモが5日、初めて公開された。

 メモは大邱市内のホテルで開かれた朴氏の回顧録の出版記念イベントで公開された。

 朴氏は2022年の大統領選を約半年後に控え「私がこのすべてを背負っていけば解決するのではないか」という考えでメモを書き、側近である柳栄夏(ユ・ヨンハ)弁護士に渡したという。

 メモで朴氏は「私は私に対する偽りと誤解を取り除き、共に歩んだ公職者や企業関係者が国家と国民のために働いたということを明らかにしたかったため、憲法と法律が定めた手続きに黙々と従った」と述べた。

 しかし朴氏は「2017年10月16日に私に対する新たな逮捕状が発行された後、これ以上の裁判手続きは無意味だと判断した」ため、すべての責任を自身が負う代わりに公職者や企業関係者に対しては寛大な措置をとるよう要請したという。

 朴氏は2017年3月31日に逮捕状が発行されソウル拘置所に収容され、同年10月に自身の拘束延長が決定されたことを受け、裁判への出席を拒否した。

 メモで朴氏は「その後、大統領として在職しながら渾身(こんしん)の力を尽くしてきたことが積弊(積み重なった弊害)という烙印(らくいん)を押され、任された職分に忠実に働いた公職者が拘束されるのを見るのは、私としては耐え難い苦痛だった」とし、「そして初めて政治を始めた時から共に歩んで来た人たちまですべての荷物を私に渡すのを見て、人生の無常さを感じた」と心境を吐露した。

 また「しかし、これもすべて決まった運命だと受け止める。韓国の大統領としてこの国を危険にさらす闇の勢力から安保を守り抜き、少しでも良い暮らしを国民にささげるために努力した時間はやりがいがあった」と大統領在職時代を振り返った。

 また2006年に暴漢に襲撃された事件を振り返り、襲撃後の自身の人生はおまけとして与えられたもので、国にささげたと考えていたため、自身の処遇についてはどうなっても未練がないと付け加えた。

 そのうえで、自身は誰かのせいにしたり恨んだりしたりする気持ちがないとし、「互いを思いやり、より良い韓国を作ってほしい」とつづった。

 同日出版された回顧録は2冊で構成され、それぞれ400ページ程度の分量となっている。2012年末の大統領選当選後から、22年3月に大邱市内の自宅に入るまでの約10年が扱われた。

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