韓国、北朝鮮の「兄弟国」キューバと国交樹立 1959年の国交断絶以来65年ぶり

 国連駐在の韓国代表部は14日、米ニューヨークの国連本部でキューバ共和国と書面を交わし、両国の外交・領事関係を樹立したと発表した。

 キューバは人口1100万人の中南米の共産国家で、シリアと共に韓国にとって国交を樹立していない数少ない国の一つだ。一方のキューバは北朝鮮と1960年に外交関係を樹立し、その後も北朝鮮と緊密な関係を維持してきた。外交関係者の間では「今回の国交樹立を通じて国際社会における北朝鮮の孤立をさらに深め、核暴走に対する国際社会からの圧力をさらに強めることができる」など期待の声も出ている。

 韓国外交部(省に相当)の朴振(パク・チン)長官は昨年5月にグアテマラで国際会議に出席したが、その際にキューバのホセフィーナ・ビダル外務次官と非公開で会談し、国交樹立を提案した。第三国のあっせんで極秘に実現したこの会談は議題を特定せず1時間以上にわたり行われたという。その後は両国間で一気に話が進み、今回の外交関係樹立に至った。

 キューバとの国交は一つの国との単なる外交関係以上の意味合いがある。キューバは1949年に大韓民国政府樹立を承認したが、1959年にフィデル・カストロによる共産革命により韓国との国交を断絶した。西半球唯一の共産主義国家であるキューバは半世紀にわたり北朝鮮と緊密な関係を維持し、「兄弟国家」として共に反米政策を続けてきた。そのため北朝鮮とのこの特別な関係が韓国との外交関係樹立の障害となってきた。しかし2000年代に入ると経済や文化面での交流が拡大し、雰囲気が変わってきた。また外交当局も直接国交や領事関係の樹立を20年以上にわたり繰り返し呼びかけ続けた。キューバとの国交樹立により国連加盟国で韓国と外交関係がない国はシリアだけとなった。

 韓国外交部によると、コロナ渦前の5年間(2014-19年)にキューバを訪れた韓国人観光客は5000人から1万5000人へと3倍に増加した。キューバ国内でも韓国ドラマやKポップ・ファン・クラブの会員が5000人以上に達し、昨年8月に首都ハバナでオープンしたハングル学校には100人以上の現地住民が集まるなど、韓国に対するキューバ国民の認識もかなり良くなっているという。1921年の日帝強占期にメキシコを経てキューバに移住した韓国人の子孫も1100人以上が居住している。両国の貿易は2022年の時点で韓国からの輸出が1400万ドル(約21億円)、輸入は700万ドル(約11億円)だった。

ニューヨーク=尹柱憲(ユン・ジュホン)特派員

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