補助機器と思われていた補聴器、死亡率を30%低下させる

 補助医療機器と思われていた補聴器が死亡率に直接影響を及ぼすという研究結果が出た。

 南カリフォルニア大学医学部のジャネット・チェ教授が率いる研究チームは3日(現地時間)、国際学術誌「LANCET」に補聴器の使用が死亡率に及ぼす影響に対する大規模な研究結果を掲載した。補聴器を身に着けた患者はそうではない患者に比べ、死亡リスクが34%も減ったことが分かった。特に、必要により断続的に補聴器を使用する患者もそうではない患者に比べて、死亡リスクが12%も減少したと分析された。ほかの要因をすべて除外しても、難聴のとき補聴器を使用しないと死亡リスクが1.4倍高かった。

 研究チームは今回の研究結果を得るために、計9885人の聴力測定患者を対象に、補聴器の使用が死亡率に及ぼす影響を追跡観察した。聴力検査時、難聴の有病率は14.7%で、全体原因による死亡率は13.2%と集計された。しかし、難聴患者たちの補聴器着用比率は思ったよりも低かった。10.4年間の平均追跡観察期間中、難聴と診断され実際に補聴器を着用した患者は12.7%に過ぎなかった。ジャネット・チェ教授は「難聴が発生しただけで死亡リスクが1.4倍も高まり、補聴器を使用することによって死亡リスクが25%も低下するということは、非常に重要な指標」とした上で「難聴と補聴器の使用が死亡に独立的なリスク要因であるということを明らかにした点で意味がある」と説明した。ジャネット・チェ教授はさらに「これは、難聴患者に強く補聴器の使用を勧めなければならないということを示唆している」とした上で「政策的な支援とともに、医療陣の認識改善が必要だ」と主張している。

 なお、都会の騒音やイヤホンの使用などによって、騒音性難聴など聴力低下や喪失患者が引き続き増えている。現在、難聴患者は世界的に16億人に達し、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)などによる分析の結果、2050年までにおよそ250億人まで増加するという見方がある。

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アン・サンヒョン記者
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