サッカー:「無戦術・無責任」…韓国代表クリンスマン監督、最短期間で更迭

任命時から賛否、とうとう途中交代

 この1年ほどサッカー韓国代表チームを率いてきたユルゲン・クリンスマン氏は「スマイル監督」と呼ばれた。重苦しい状況でもゆとりを失わない態度は、本人には活力を与えたかもしれないが、ファンにとっては不愉快だった。同氏は選任された直後から非難の声を招いた。現役選手時代はドイツ代表の主力FWとして1990年のワールドカップ(W杯)大会や1996年の欧州選手権(UEFA EURO)でトップをけん引し、見事な成績(108試合47ゴール)を残したが、指導者としては落第点だったためだ。

【グラフィック】短命に終わったサッカー韓国代表監督たち

 2006年のドイツW杯で「戦力が以前より劣る」と評されたドイツ代表チームを率いて3位になり、それなりの成果を挙げたが、これも(ヨアヒム・レーヴ氏ら)有能なコーチたちのおかげだという指摘が多かった。その後、バイエルン・ミュンヘン(勝率57%)、米国代表チーム(56%)、ヘルタ・ベルリン(30%)などで監督を務めたが、成績は芳しくなかった。ヘルタ・ベルリンでは監督に就任して3カ月後の2020年2月、交流サイト(SNS)で一方的に辞任の意向を明らかにし、チームを去ったため、「無責任な監督」という批判が殺到した。 その後、どのチームにも呼んでもらえなくなった監督を韓国が呼んだのだ。

 ドイツ出身で大韓サッカー協会のマイケル・ミューラー韓国代表チーム戦力強化委員長は、クリンスマン氏選任時、「単なる指導者ではなく、管理者であり、選手たちにモチベーションを与えられる監督だ」と強調したが、実情はそうではなかった。自由奔放なチーム運営を勲章のように掲げていたが、その裏には「選手団統率失敗」という副作用が伴っていた。その結果、中心選手同士で衝突があったにもかかわらず、これを適切に管理できず、競技力に悪影響を及ぼした。「ワンチーム」を組織化するにあたって無能だったということだ。

 新しい選手の発掘にも消極的だった。実力が検証済みの欧州組の代わりに、韓国プロリーグの選手たちを観察し、新たな有望選手を加えなければならなかったのに、大半の時間を外国で過ごし、こうした任務も放棄した。アジアカップではこれらの盲点がそのまま結果に現れてしまった。短期間に多くの試合をこなさなければならないという大会の特性上、全選手をまんべんなく生かし、体力を温存すべきだったが、グループステージからベスト4まで特定の選手たちだけを集中的に投入した。普段から選手をさまざまな角度から分析したり、長所と短所を把握したりしていなかったためだ。

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