尹大統領「2000人増員は最小限の規模」 韓国医学部定員増問題

「28回会って説得、集団ストはNO」

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は20日、韓国政府の「医大・大学医学部定員増員」推進に一部の研修医・医大生が反発していることに関して、「地域の必須医療・重症診療について正当に保障し、司法リスクを減らして、皆さんが所信を持って診療できる環境を、責任を持って作る」と述べ、集団行動の中止を要請した。尹大統領は「2000人増員は最小限の拡充規模だ」とも言った。

 尹大統領は同日の国務会議(閣議)で、「大韓民国の医療の力は世界最高だが、患者と国民が地域で直面している医療サービスの現実にはひどく失望すべきもので、悲惨極まりない。医療関係者らは医療改革に参加してほしい」と述べた。その上で、「これまで政府は28回にもわたり医師団体と会って話し合い、医療改革が不可避であることを説明した。特に、必須医療分野の人材はいっそう顕著に減っており、その結果、地域必須医療も共に崩壊した」と言った。必須・地域医療の崩壊を防ぐため、医療人材の拡充をはじめとする医療改革をこれ以上、遅らせることはできないという意味だ。

 尹大統領は、医療関係者らに対する正当な保障と司法リスク軽減案の推進なども重ねて約束した。政府は1日、尹大統領が主宰した国民生活討論会で、「医大定員拡大と共に今後5年間にわたって10兆ウォン(約1兆1230億円)以上を投入して必須医療分野の報酬を集中的に引き上げ、公共政策・地域報酬の新設、避けられない医療事故に対する医師の法的負担を軽減する医療事故処理特例法の制定に乗り出す」と発表した。尹大統領は「優れた能力を持つ地域病院の成果を広く知らせ、『ソウル偏向現象』も是正していく」と述べた。

 尹大統領は同日、「一部では(医大定員の)2000人増員は行き過ぎだとして、荒唐無稽(むけい)な陰謀論まで取りざたされている。しかし、この数字でも大幅に不足している」「医療現場の主役である研修医と、将来の医療の主役である医大生が、国民の生命と健康を盾に取って集団行動をしてはならない」「国民の生命と安全を守ることは国家が存立する理由であり、政府に与えられた最も基本的な憲法的責務だ。医師は集団的な診療拒否をしてはならない」と言った。その上で、「医療改革は絶対に揺らぐことなく推進する。医療改革の過程で国民の生命と健康が脅かされることはあり得ない」とも述べた。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者

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  • ▲20日、ソウル市竜山区の韓国大統領室庁舎で行われた閣議で、発言する尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領。写真=聯合ニュース
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