尹大統領 演説で教育分野の独立運動強調へ=対日メッセージは協力強化に焦点

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は日本による植民地支配に抵抗して1919年に起きた独立運動「三・一運動」の記念式典が開催される3月1日の演説で、植民地時代に教育・文化分野を中心に展開された独立運動を強調する。大統領室関係者が27日、聯合ニュースの取材に明らかにした。

 同関係者は「当時の教育・文化分野を中心とした独立運動が相対的に評価されていない部分がある」として、「(演説には)独立運動に対するバランスの取れた評価が盛り込まれる」と述べた。独立に向け、国内で教育・文化分野に関する独立運動が繰り広げられたが、旧満州などで展開された武装闘争運動に比べると十分な評価が行われていないとの指摘を反映したものとみられる。当時、民族の将来は教育にかかっているとして、全国で夜学や講習所などを開いて教育活動に取り組んだ人たちも独立運動を後押ししたことを強調する考えだ。

 歴代大統領の演説で最も注目を集めた対日メッセージは来年の国交正常化60年を控えた両国の友好協力強化に焦点を当てる見通しだ。

 尹大統領は昨年の演説で、「日本は過去の軍国主義侵略者から安全保障や経済で協力するパートナーに変わった」と述べた。その後、韓国政府は両国関係悪化の最大の要因となっていた徴用訴訟問題の解決策を発表し、尹大統領が就任後初めて日本を訪問。両国の首脳が相互に往来する「シャトル外交」が再開された。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が昨年末、韓国との関係を「敵対的な二つの国家」と規定して対決姿勢を強めるなか、対北朝鮮メッセージも注目を集める。尹大統領は先月16日の閣議で、「北の政権自らが反民族的で反歴史的な集団であるという事実を自認した」と批判しており、その延長線上にある内容が盛り込まれる見通しだ。

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