韓国法務部、「尹検察総長追い出し監察疑惑」朴恩貞検事を解任 入手資料を無断提供した疑い

 韓国法務部(省に相当)が、朴恩貞(パク・ウンジョン)部長検事=光州地検重要経済犯罪調査団所属=に対し「解任」の処分を下したことが4日に伝えられた。朴部長検事は2020年に文在寅(ムン・ジェイン)政権が、当時検察総長(検事総長に相当)だった尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対していわゆる「追い出し監察」を行う過程で適法な手続きに背き、入手した資料を無断提供したという疑惑で懲戒対象に挙がっていた。検事から解任されたら、3年間は弁護士として働くことはできない。

 朴部長検事は、法務部監察担当官だった2020年10月、当時の尹錫悦検察総長夫妻と韓東勲(ハン・ドンフン)検事長の電話の内容などを法務部監察委に提供したといわれている。当時、この資料を確保していたソウル中央地検刑事1部は「通信秘密保護法に違反する」として拒絶したが、朴部長検事が持ち出したという。この過程で、ソウル中央地検の李盛潤(イ・ソンユン)地検長=当時=が刑事1部に「資料を渡せ」と指示した疑惑が持ち上がり、高位公職者犯罪捜査処が捜査している。

 4日、朴部長検事は「解任処分は受け入れられない」として行政訴訟を起こす考えを明らかにした。

 尹大統領は2020年12月、法務部の監察に続いて「停職2カ月」の懲戒を受けた。主要事件の担当判事らの傾向を分析した文献の作成、チャンネルA事件の監察・捜査に対する妨害などが懲戒事由だった。これに対して尹大統領は懲戒取り消しを求める訴訟を起こし、一審では敗訴したが、控訴審で勝訴した。昨年12月にソウル高裁は控訴審で「当時の法務部の懲戒議決と文在寅大統領の懲戒処分はいずれも違法」とする判決を下し、これに対して法務部は大法院に上告せず、そのまま確定した。

イ・セヨン記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲朴恩貞(パク・ウンジョン)部長検事/写真=NEWSIS

right

あわせて読みたい