出馬宣言で人材育成の必要性を訴えた国民の力・成一鍾候補、伊藤博文の英留学を例に挙げ物議 韓国総選挙

出馬宣言で人材育成の必要性を訴えた国民の力・成一鍾候補、伊藤博文の英留学を例に挙げ物議 韓国総選挙

 韓国与党「国民の力」の成一鍾(ソン・イルジョン)議員(選挙区:瑞山市・泰安郡)が、人材育成の必要性を強調した際に、その例として韓国統監府の初代統監だった伊藤博文に言及したことが次期総選挙の争点として浮上している。

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 韓国最大野党「共に民主党」のチョ・ハンギ予備候補は6日、瑞山市庁で記者会見を開き「朝鮮侵略と強占の元凶であり東アジアを戦争の惨禍に引きずり込んだ歴史的な罪人を、人材と言って褒めたたえ、日本の極右主義者の歴史認識を代弁するとは、成議員はいったいどの国の国会議員なのか」と攻撃した。

 さらに「成議員は2017年にも自身のフェイスブックに類似の書き込みをしたことがあり、今回の言及はミスではなく確信に満ちた反復」だとして「今回の発言に対する明確な釈明と席藁待罪(わらのむしろに伏して処罰を待つこと)をせずに再び選挙に出ることは、妥当なことなのか」と問いただした。

 その上で成議員に公開討論を呼び掛け「討論の形式・時間・場所は成議員の提案に全て従う」と述べた。

 これに関連し、成議員は同日に行った出馬宣言の記者会見で「地域社会が学生たちを応援する意味をきちんと受け止め、立派な人材になって大韓民国と地域に寄与しなさいという意味で言っただけだ」と釈明した。

 成議員は三一節(1919年3月1日の三一独立運動を記念する日)の二日後の今月3日、瑞山奨学財団の奨学金贈呈式で、伊藤博文をはじめ長州藩の若者5人が、藩の財政局長が黙認する中で金塊を盗んで英国に留学に行ったというエピソードを紹介し「次世代を育てる(奨学)制度がなかったとき、(財政局長が)金塊を盗めるような状況をつくり出し、(伊藤博文らが)その金塊を持って勉強して帰国し、日本を完全に発展させた」として「(伊藤博文は)韓半島に恐ろしい事態をもたらした人物だが、(日本が)我々よりも先に人材を育成していたという例だ」と話した。

 この発言が物議を醸すと、国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長は5日、総選挙に出馬する自党の候補らに「謙虚な姿勢で国民の目線に合った言動をするよう要請する」と不用意な発言への警戒令を下した。

リュ・ビョンス記者

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