「大学入試に模試の問題」 教員と学習塾の癒着疑惑で56人捜査へ=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国の現職教員たちが学習塾側から金品を受け取り、大学修学能力試験(修能、日本の大学入学共通テストに相当)の模擬試験問題を提供していたことが分かった。監査院は11日、3カ月間の実態監査でこうした癒着疑惑が確認された教員と学習塾関係者計56人について請託禁止法違反、業務妨害、背任贈収賄などの容疑で捜査を要請したと発表した。 

◇大学入試に模試と同じ出題

 2022年11月に実施された23学年度の修能の英語で、入試専門の大手塾の有名講師が作成した修能対策教材に取り上げられた問題がそのまま出題されるという事態があった。監査院が把握したところによると、23年1月に出版予定だった韓国教育放送公社(EBS)の修能対策教材に、ある高校教員が22年3月に出した問題が掲載されたが、同年8月にこの教材を監修した大学教授が23学年度修能の英語の出題委員を務めた際、同問題を無断で出題した。一方、大手塾の有名講師は日ごろ教員から問題を買って模試を作成しており、もともと問題を作成した教員の知り合いである別の教員から同問題を入手し、9月末の修能対策教材に入れた。

 これら関係者は監査院が捜査を要請した対象に含まれた。

 韓国教育課程評価院は修能問題が確定する前に模試との重複がないか検証する必要があるが、これを見落とした。さらに重複に対する異議の申し立てが215件あったにもかかわらず、担当者らが異議申し立てを審査対象から除外してもみ消しを図ろうとしたことも分かった。

◇「試験問題取引は組織的」

 修能の出題またはEBS修能対策教材の執筆に関わった多数の教員が、塾側と試験問題の取引をしていた実態も明らかになった。監査院は「取引は金品提供を媒介に深く根を張っている」と指摘した。修能の出題傾向に合わせ良質の試験問題を得たい塾側と、金銭的利益を求める一部の教員が結びつき、組織的に取引が行われたという。

 監査院は捜査を要請した関係者以外にも、試験問題の取引で金品を受け取ったことが確認された教員に対し、厳重に責任を問う計画だ。

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