「医者が患者の命をもてあそぶのか」 集団辞職の構えを見せる教授たちに怒りの声 韓国医学部定員増問題

 韓国の大学病院の教授らが11日に集団辞職を予告したことに病院を訪れた患者らは怒りをあらわにしている。ソウル大学医学部教授協議会非常対策委員会は同日「政府が問題の解決策を提示しないのであれば、18日に全員が辞職する」と警告した。

 ソウル大学で取材に応じた40代の患者は「研修医不在のため病棟にはもう誰もいないが、教授たちまで去ったら患者はどうなるだろう」「医師たちは考えを改めるべきだ」と訴えた。今月初めにがん治療のため入院したというこの患者は胸のCVポート(皮下埋め込み型中心静脈アクセスポート)を記者に見せながら「ソウル大学病院全体でインターンは4人しかいない。あの人たちだけで病棟全体を回りながら消毒やCVポートの管理まで全部やっているらしいが、その上教授たちまで辞職したらどうなる」「研修医たちも早く復帰すべきなのに、逆に教授たちまで辞職するとはどうかしている」と不満を吐露した。この患者が入院した時も治療に当たる医師が不在で18時間も待たされたという。

 肺がんステージ4(Ⅳ期)の父親に血尿の症状が出たためソウル大学病院救命救急センターを訪れたというユさん(56)は「患者が(大学)病院で頼れるのは教授の先生しかいない。患者として病院に何をどう訴えればいいのか」と嘆いた。食道がんの家族を連れて江原道江陵からソウル大学病院にまでやって来たカンさん(52)は「医者が患者の命をもてあそんだらどうなる」「あの人たちが辞職願を出すかどうかによって家族の命も左右される」と訴えた。

 一部教授らの辞職が他の病院にも広がらないか心配する患者も多かった。蔚山大学医学部教授協議会非常対策委員会は7日に自発的な辞職願提出に合意した。成均館大学やカトリック大学医学部教授らも集団行動の検討を始めている。ソウル聖母病院で取材に応じたユンさん(68)は「教授のストがソウル大学から全国の全ての病院に広がり今よりもっと大変にならないか心配だ」「政府と医者たちはどちらも考えはあるだろうが、結局被害を受けるのは患者だけだ」と述べた。

 心臓の手術を受けた妻の経過を確認するため病院を訪れた男性(79)は「医師たちが自分の利益のため命の危うい患者まで人質にするのは間違っている」「教授たちまでこの病院から去ったら誰が残るだろうか」と嘆いた。チョさん(67)は「今まで見てくれていた先生が今もいるか分からない」「教授たちまでやめたら本当の医療大乱になるのでは」と心配した。

カン・ウソク記者、キム・ドヨン記者、チョ・ジェヒョン記者

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  • ▲今なお続く医療空白の対策として韓国軍の医官や公衆保険医も医療現場に投入されている。写真はソウル市内のある病院で順番待ちをする患者。3月12日撮影。/聯合ニュース

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