尹大統領 「舌禍」首席秘書官の辞意受け入れ=総選挙を考慮か

【ソウル聯合ニュース】韓国大統領室の報道官室は20日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が大統領室の黄相武(ファン・サンム)市民社会首席秘書官の辞意を受け入れたと発表した。

 黄氏は大統領室担当の記者団と昼食を取った際、1988年に軍を批判するコラムを書いた新聞記者が襲撃された事件や、1980年の5・18民主化運動(光州事件)に関する疑念などに言及していたことが14日に報じられ、批判を浴びていた。

 大統領室関係者は聯合ニュースの取材に「本人の進退を巡る騒ぎが大きくなり、大統領に迷惑がかかると考え、自ら決断したのではないか」との見方を明らかにした。

 黄氏は自身の発言が報じられると国民に向け謝罪したが、野党だけでなく与党内部からも辞任を求める声が上がった。水害の行方不明者を捜索中に海兵隊兵士が殉職した事件の捜査に圧力をかけたとして職権乱用の疑いが持たれていた李鐘燮(イ・ジョンソプ)前国防相が駐オーストラリア大使として赴任したことに加え、黄氏の発言が世論を悪化させかねないと懸念した。総選挙が3週間後に迫る中、黄氏が決断を迫られたとみられる。

 同氏は元KBSテレビ記者でアンカーなども務めた。昨年11月末に市民社会首席秘書官に起用されたばかりだった。

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