国民年金の自発的加入者が減少 十分に信頼されず?=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国で国民年金に自発的に加入する人がこのところ減少傾向にある。国民年金の加入が義務付けられていない人の自発的な加入は、国民年金に対する信頼度のバロメーターとされる。老後の生活を支える国民年金への信頼がまだ十分でないことを示すともいえる。

 国民年金公団が28日までにまとめた資料によると、国民年金の加入者のうち、任意加入者と任意継続加入者を合計した自発的な加入者は2023年11月末時点で85万8829人と、前年12月末に比べ7485人減少した。

 任意加入者と任意継続加入者の合計は17年の67万3015人から21年の93万9752人まで毎年増え続けたが、22年1月の94万7855人をピークに減少に転じた。

 国民年金は18歳以上60歳未満で所得のある国民すべてに加入が義務付けられている。任意加入者とは、専業主婦や学生、軍人のように加入義務は無いものの本人の希望で加入した人を指す。任意継続加入者は、加入義務の上限である満60歳を超えても引き続き保険料を納めると申請した人で、満65歳まで加入できる。

 こうした自発的な加入者が減少している理由は複数挙げられる。まず、加入対象である18~59歳人口が減っている。職を見つけて事業場(事業所)加入者に移行したケースも多い。

 健康保険料の賦課方式が22年9月から段階的に見直され、被扶養者の認定基準が強化されたことも影響した。国民年金に自発的に加入したことで公的年金所得が被扶養者の認定基準額を超えた場合、健康保険の地域加入者となる。公的年金所得とそれ以外の所得・財産に応じて健康保険料を納める必要が生じ、経済的な負担が増す。

 国民年金に加入しなくても、満65歳以上で所得が下位70%なら国から基礎年金を受け取れることも任意加入を見送る要因の一つだ。

 任意加入者の減少を受け、政府は今年1月に国民年金法施行令を一部改正した。従来は任意加入者または任意継続加入者が保険料を3カ月滞納すると自動的に加入者資格を喪失していたが、これを6カ月の滞納に緩和した。保険料納付の機会を拡大し、年金の受給権を強化することが狙いだ。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい