韓国がロシアを非難「犯罪行為が行われている状況で監視カメラを破壊」 対北制裁の監視パネルの任期延長に反対票

 国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁実行を客観的に監視する対北制裁委員会専門家パネルの任期延長がロシアの反対で発足から15年で初めて否決された。これについて韓国は「犯罪行為が行われている状況で監視カメラを破壊した」と強く批判した。

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 黄大使は28日、米ニューヨークの国連本部で開催された公式会議終了後「専門家パネルが常任理事国であるロシアの人質となり、ロシアは国際社会とその安全保障の維持という安保理の責務ではなく、盲目的な利己主義を前面に出し安保理で最も活動的で重要な機能を失わせた」と指摘した。専門家パネルは世界で最も深刻な核兵器拡散の事例に対処し、制裁に関する複雑かつ緻密な情報を各国に提供し、国連加盟国が決議を実行に移すために必要な勧告事項も提示してきた。今後この活動が終了すれば制裁に死角が生じることになる。

 黄大使は「決議の草案は専門家パネルの任期延長という単純な内容だったが、ロシアは北朝鮮制裁のレジーム全体をパネル延長の交換条件とした。つまり1年期限のサンセット条項という、文脈にも合わず適切でもない内容を提案した」「北朝鮮は核ミサイル開発と挑発を続けており、またより巧みに制裁を回避することで安保理の権威を露骨に無視している。このような状況で制裁レジーム全体へのサンセット条項導入は絶対に受け入れられない」とも指摘した。

 黄大使はさらに「ロシアは『パネルの任務中断を意図するものではない』と主張したが、他国にとって受け入れ難い提案にこだわり、反対を誘導することで拒否権を行使する手口を使った」「非拡散体制の維持や安保理の機能維持ではなく、ウクライナ侵攻に必要な弾薬や弾道ミサイルを確保するため北朝鮮を後押しするロシアの意図を疑わざるを得ない」とも主張した。

 安保理は専門家パネルの任期延長について投票を行ったが、賛成13票、反対1票(ロシア)、棄権1票(中国)で否決された。安保理決議は5カ国の常任理事国(米国、英国、フランス、中国、ロシア)のうち1国でも拒否権を行使すれば成立しない。

ニューヨーク=尹柱憲(ユン・ジュホン)特派員

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  • ▲国連安全保障理事会で発言する国連駐在の黄浚局(ファン・ジュングク)韓国大使/聯合ニュース

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