口座から数百万ドルなくなったのに知らなかった? 大谷通訳の違法賭博問題巡る五つの疑問

 説明があってもスッキリしない。通訳の違法賭博問題を巡り、記者会見を開いた米大リーグのスーパースター、大谷翔平選手=ロサンゼルス・ドジャース=の話だ。米現地では議論が続いている。大谷選手は最近のオープン戦3試合で無安打だった。動揺している様子だ。

【写真】水原氏の妻の隣で観戦する大谷翔平の妻・真美子さん

<疑問1>水原氏はどのように口座にアクセスした?

 スポーツ専門メディアのESPNによると、専属通訳だった水原一平氏は「(スポーツ)違法賭博で借金(450万ドル=約6億8000万円)があり、大谷選手がこれを肩代わりした」と言ったが、その後「大谷選手は何も知らなかった」と前言を翻した。大谷選手側も「水原氏が大谷選手の口座からひそかに送金した(=盗んだ)。大谷選手はこのことを知らなかった」と主張した。

 これに対して米メディアは、水原氏が通訳兼マネージャーとして大谷選手の個人情報などを詳細に知っていたとしても、数十万ドルにも達する金をひそかに送金するのはほぼ不可能だとみている。米国では1万ドル以上の高額を送金する際、金融機関や銀行で本人確認の手続きを経る。インターネットで高額の送金をすれば、虹彩や指紋など個人生体情報の認証を要求する場合もあるし、預金主の自筆サインが入った注文書を出さなければならないケースもある。資金の出どころと用途を立証する書類を要求することもある。水原氏が大谷選手に内緒でこのような手続きをすべて経ていたとは考えがたいということだ。水原氏は「大谷選手が自らコンピューターでアクセスし、口座から数カ月間にわたり8-9回送金した。送金用途は『Loan(ローン)』と記載した」と答えていた。

<疑問2>これだけ多額のお金が流出していたことを知らなかった?

 自身の口座から数回にわたって数百万ドルがなくなっていたのに、これを後に水原氏が告白するまで、大谷選手が知らなかったということも釈然としない。数カ月間、自分の口座を全く見ていないというのは常識的ではないという指摘だ。ESPNは「ドジャースのオーナー、マーク・ウォルター氏ら球団首脳部は20日、『(大谷選手関連で)まもなく良くないニュースが出そうだ』『大谷選手は水原氏の借金を肩代わりしていた』と語った」と報道した。これに対して、大谷選手側が追加説明をしていないことにも疑惑が膨らんでいる。

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  • ▲16日、2024年シーズンのMLB公式開幕戦を前に、記者会見するロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手=写真右=と通訳の水原一平氏=同左=。

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