「逃避」批判受けた駐豪大使が辞任 任命から25日で=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国で昨年発生した水害の行方不明者を捜索中だった海兵隊兵士の殉職事件に絡み、捜査に圧力をかけた職権乱用の疑いで捜査を受けている前国防部長官の李鐘燮(イ・ジョンソプ)駐オーストラリア大使が29日、辞意を表明した。外交部は「本人の強い辞意表明を受け、任命権者である大統領に報告し、辞意を受け入れることにした」と発表した。

 李氏は国防部長官だった昨年9月に職権乱用などの容疑で高位公職者犯罪捜査処(公捜処)に告発された。告発を受け、法務部は李氏の出国を禁止したが、今月4日に駐オーストラリア大使に任命されたことを受け、禁止措置を解除した。李氏は赴任のため同10日に出国。最大野党「共に民主党」は「容疑者を逃避させた」などと強く非難した。4月10日の総選挙を控え、与党「国民の力」の一部からも世論の悪化を懸念し、李氏の辞任を求める声が出ていた。

 李氏は防衛産業協力に関連した公館長会議に出席するため、21日に一時帰国している。

 同氏は「公捜処に早く聴取してほしいと要求してきたが、公捜処はまだ期日を決めていない」と指摘。「ソウルに残り、すべての手続きに最後まで強く対応する」として、辞意を表明したのは捜査を受けるためだと明らかにした。

 李氏は特任公館長として駐オーストラリア大使に任命された。特任公館長は外交部長官の申し出により大統領が任用する。辞意の受け入れも実質的には大統領の許可を得て行われる。

 「共に民主党」は「重要容疑者を大使に任命し、出国の根拠を与えたことは職務権限付与の目的に反する」などとして尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領も告発している。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい