韓国新型高速列車「KTX-青竜」 より速く広く静かに

韓国新型高速列車「KTX-青竜」 より速く広く静かに

 韓国で5月から運転を開始する新型高速列車「KTX-青竜」には、韓国の最新鉄道技術が凝縮されている。これまでのKTXの主力モデルだった「KTX-山川」との最大の相違点は動力設計方式だ。山川は先頭車両と最後尾車両にのみ動力装置を設置し、列車を前からけん引しながら、後ろから押す「動力集中方式」だ。それに対し、青竜は各車両の下部に動力装置を搭載した「動力分散方式」だ。車両ごとに装置があるため、強力で加速・減速能力に優れているのが特徴だ。

【グラフィック】KTX-青竜とKTX-山川

 青竜は最高運転速度が時速320キロで、時速300キロまで加速するまでの所要時間は212秒だ。山川(316秒)に比べ100秒以上短い。専門家は駅間距離が相対的に短い韓国の地形には、動力分散方式の列車がより適していると指摘する。

 KTXは電気を動力として使用する。列車を動かすには、電気エネルギーを回転力に変換し、車輪に伝達する「けん引伝動装置」が必要だ。同装置は電気自動車(EV)の重要部品である電気モーターの役割を果たし、列車のパワーを決定する。従来のKTXは、先頭と最後尾の動力車の下部に1100キロワットのけん引伝動装置8台を設置し、合計出力は8800キロワットだった。これに対し、青竜は380キロワットのけん引電動装置を24個設置し、合計出力を9120キロワットに高めた。より速いスピードを出せるのもこのためだ。

 装置を増やし、パワーを高めながらも、前後の動力車が必要ないことで、青竜は山川より約2トン軽量化できた。山川は列車1編成が10両で構成され、うち8両に乗客が乗車するが、青竜は1編成が8両で、全車両に乗客が乗ることができる。

 乗客が乗る車両は8両で同数だが、青竜の座席(515席)は山川(379席)より136席多い。これは青竜の1両当たりの車長が24.3メートルで、山川(19.7メートル)より4メートル以上長いためだ。車幅も315センチで、山川(297センチ)より約20センチ広い。

 乗客の足元に動力装置があるが、騒音や振動が小さいことも特徴だ。アルミニウムで製作された列車の床と実際に乗客が踏む床の間にゴムパネルなどを入れ、壁と天井にも吸音材を採用しているためだ。それによって、騒音は地下鉄よりも小さい。自動車のサスペンションに相当する空気ばね技術で振動を吸収し、乗り心地も向上したと評されている。

 国土交通部と韓国鉄道公社(KORAIL)は5月からK青竜を1日6往復(京釜線4往復、湖南線2往復)運転する予定だ。2日からKORAILのアプリやウェブサイトで予約が開始された。

キム・アサ記者

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