米国による対中制裁効果か…基礎技術段階でも後塵を拝す中国AI

米国による対中制裁効果か…基礎技術段階でも後塵を拝す中国AI

 中国の人工知能(AI)開発計画はこれまで膨大なデータと政府レベルの支援で急速に発展してきたが、米国の全方位的な制裁に阻まれ、ブレーキがかかった。中国の大手テクノロジー企業数十社とスタートアップがAI開発に乗り出しているが、業界をリードする米オープンAIと競合できるほどのモデルをまだ開発できていない。米経済専門局CNBCは3月31日、「中国が米国とのAI競争で格差を狭められずにいる」とした上で、「米政府の対中半導体輸出規制と米国資本の中国先端テクノロジー企業への投資制限が中国のAI技術発展を抑制している」と分析した。そのため、中国はAI開発の基本となる大規模言語モデル(LLM)も開発できずにいる。

 現在AI業界をリードしているオープンAIは、世界で最も高性能のLLMの一つとして挙げられる「GPT-4」を最近発表した。LLMはテキスト、イメージ、映像など全ての生成型AIサービスの基本となる技術だ。中国はそうした基礎技術段階からして遅れていると分析されている。

 現在中国のテクノロジー企業が自主開発したLLMで性能がオープンAIの「GPT」やグーグル「ジェミニ」の水準に迫るモデルはない。大半の中国企業は米国企業であるメタのLLMである「LLaMA(ラマ)1」に追加学習をさせて改善する方式でLLMを構築している。性能はオープンAIの最新技術に比べて1~2年遅れていると評価されている。

 2020年代初め、一時米国の技術に追いついた中国がAI技術で特に困難に直面している背景には、米国による強硬な対中制裁がある。バイデン米大統領は22年、自国企業と個人が中国の半導体、量子コンピューター、AIなど最先端技術分野に投資することを制限する大統領令に署名した。米国資本はこれまで中国のテクノロジー企業の「資金源」だっただけに、投資制限の効果は直ちに表れた。中国国家外国為替管理局によると、昨年の中国に対する海外直接投資(FDI)は330億ドルで、過去最高だった21年(3440億ドル)の10%にも満たない水準にまで急減した。これは鄧小平氏が1992年に外資を積極的に誘致し始めて以降の約30年間で最も低調な数値だ。

 その余波で中国のAIスタートアップは資金不足に苦しむことになった。市場分析会社CBインサイトによると、昨年全世界のAI企業に投資された資金は425億ドルで、うち310億ドルが米国企業に投じられた。中国企業に投じられた資金は20億ドルにすぎなかった。

 AI訓練に必要なAI半導体の輸出規制も中国企業の足を引っ張っている。現在最も高性能のAI訓練用半導体として挙げられるエヌビディアのA100、H100などの製品は、すべて対中輸出が厳しく禁止されている。中国が独自にそれに匹敵する半導体を製造することも難しい。米政府が先端半導体の製造に必須の極端紫外線(EUV)露光装置の対中輸出を阻んでいるほか、米国の技術を採用している企業による中国向け先端半導体の受注を阻止しているためだ。

 中国も遅れたAI技術に追いつくために必死だ。中国の産業戦略を決める全国人民代表大会(全人代)で先月「AIプラス」というAI産業育成策が公表された。中国政府が国家レベルでAI産業発展計画を主導し、AI関連企業に破格の恩恵を与える内容だ。

シリコンバレー=オ・ロラ特派員

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