尹大統領 研修医と直接対話も平行線か=医師代表「未来ない」と批判

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は4日、政府の大学医学部の定員増員方針に反発し一斉に職場を離脱した研修医の代表と話し合った。大統領室の金秀卿(キム・スギョン)報道官によると、尹大統領は「今後の医師増員を含む医療改革に関して医療界と議論する際、研修医の立場を尊重する」と述べたという。

 金報道官によると、対話は2時間20分に及んだ。尹大統領は大韓専攻医協議会のパク・ダン非常対策委員長から現在の医療システムの問題点を聞き、研修医の処遇と勤務環境の改善に関して意見交換したという。 

 パク氏は単独で出席し、大統領室の成太胤(ソン・テユン)政策室長と金報道官が同席した。

 対話が最小限の出席者で行われ、時間も比較的長かったことから、政府が推進している医学部の定員増を含めた医療改革案を巡って率直な議論が交わされた可能性がある。

 また、大統領室はパク氏の意向を受けて写真や動画撮影を行わなかったとされ、尹大統領が研修医と対話を試みたという対外的イメージよりも対話の内容を重視したとの見方も出ている。

 尹大統領が抗議行動の当事者である研修医の代表に会い、立場を尊重する姿勢を示したことで、事態解決の糸口が見いだされるか注目される。

 ただパク氏は対話後、記者団の問いかけに対し「大韓民国の医療に未来はない」とだけ答えた。同氏は交流サイト(SNS)にも同じ言葉を掲載して批判したことから、大統領との対話で失望した公算が大きい。 

 この日の対話は、大統領室側が2日、尹大統領が研修医らに会って直接話を聞きたがっているとして提案し、パク氏がこれに応じたことで実現した。

 尹大統領は1日に発表した国民向け談話でも、2000人としていた増員規模を調整する可能性を示唆するなど、連日歩み寄る姿勢を見せている。

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