23年の温室効果ガス排出 2年連続減少=韓国政府推計

【ソウル聯合ニュース】韓国の昨年の温室効果ガス排出量が前年に比べ減少したことが政府の推計で分かった。

 大統領直属の「2050炭素中立・グリーン成長委員会」と環境部が7日、2023年の主要4部門の温室効果ガス排出量の推計値を発表した。

 23年の排出量は発電産業など転換部門が2億370万トンで前年比4.8%、産業部門は2億4470万トンで同0.4%、それぞれ減少したとみられる。

 排出量の7割を占める両部門で排出量が減少したことから全体の排出量も減少した可能性が高い。減少すれば2年連続となる。また、10年以降の年間排出量で最低を記録する見通しだ。

 転換部門では23年の総発電量が558.2テラワット時(TWh)で前年比1%の減少だった。再生可能エネルギーと原子力の発電量が増加したため。再生可能エネルギーの発電量は56.7TWhで6.6%、原子力は180.5TWhで2.5%、それぞれ増えた。

 産業部門では鉄鋼業界の老朽化高炉の閉鎖や半導体業界でのフッ素処理による温室効果ガス排出削減の取り組みなどが奏功したと政府は評価している。ただ、不況のため23年の製造業の工場操業率が平均71.3%と前年比3.5ポイント低下したことが要因との見方もある。

 建物部門は6.4%減の4520万トン、輸送部門は2.9%減の9500万トンだった。

 温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」ですべての国が提出する「国が決定する貢献(NDC)目標」で、韓国は30年までに18年比で40%削減する目標を掲げているが、23年の排出量は18年比で13.1%減となる。

 2050炭素中立・グリーン成長委員会と環境部は、文在寅(ムン・ジェイン)前政権時にNDC目標が定められ、再生可能エネルギーの発電比率を30.2%まで高めるとしたことや水素混焼発電の導入などは「非現実的」と批判した。そのうえで昨年の電力需給基本計画で30年の発電比率を原子力32.4%、再生可能エネルギー21.6%と設定し、それまでの原子力23.9%、再生可能エネルギー30.2%から原子力の割合を拡大したことを「改善」と強調した。

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