期日前投票率は過去最高、選挙運動のレベルは過去最低【4月8日付社説】 韓国総選挙

 5日と6日に行われた第22代国会議員選挙期日前投票の投票率が31.3%を記録した。これは前回選挙の期日前投票率26.7%に比べて4.6ポイント高く、過去最高だ。この数値について韓国与党・国民の力は「不正や犯罪者を拒否する民心」、野党・共に民主党は「政権審判の民心」と主張している。選挙の期日前投票率は2016年に期日前投票の制度が始まって以来上昇を続けている。与野党はどちらも自分たちに都合の良い解釈をしているが、実際は有権者の間に期日前投票が定着したと考える方が合理的だろう。

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 ただし投票率は過去最高だったが、選挙運動のレベルは最悪だ。与野党の代表はいずれも選挙開始と同時に「選挙運動は節度を持って」と明言したが、実際に選挙運動が始まると、聞いていて恥ずかしいような言葉をどちらも堂々と使っている。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は「何とか生活できるレベルでよいなら2番(国民の力の番号)に投票するか、あるいは家で休んでね」と言い、「刺し身包丁」を使って脚を切るようなしぐさをしながら「こん棒で後頭部を殴り、ドタマが割れた」などと下品な言葉を使った。対立する女性候補を日本語の「鍋(なべ)」と言う言葉で侮辱(韓国語で鍋〈ネンビ〉は女性蔑視のスラング)することもあった。

 国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)委員長も徐々に過激さを増している。野党候補らを「政治を○のようにする人間が問題だ」「ごみのような極端主義者」「だらしなくて飽きるほど退屈だ」などと侮辱した。祖国革新党の曺国(チョ・グク)代表も「3年は長すぎる」をスローガンに「尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領をレームダック、さらにデッドダックにしてやる」と叫んでいる。現時点で任期の中間も過ぎておらず、憲法や法律に違反する行為など何もしていない大統領を任期の途中に引きずり落とせと扇動しているのだ。

 今回の選挙は最初から約束違反ばかりだった。与野党双方共に衛星政党廃止を公約に掲げたが、実際はこれを守らず、有権者に対して操り人形への投票を強要している。問題のある候補者もこれまで以上に多い。大学生の娘名義で11億ウォン(約1億2000万円)の融資を受けて江南のマンションを購入した候補者、兵役中の息子に30億ウォン(約3億3000万円)の不動産を贈与した候補者、「梨花女子大学総長が米軍に梨花女子大学生を性上納した」と主張した候補者もいた。「5・16侮辱」「乱交」などの発言で公認が取り消され無所属で出馬した候補者もいる。有権者は不快感どころか侮辱されたと感じるほどだ。

 いかなる選挙であれ投票日が近づくほど選挙運動での発言や行動は過激になる。しかし今回の選挙はそのレベルがあまりにひどい。ただそれでも投票はしなければならない。投票は国民にとって主権の行使であり、政界に対するけん制の手段になる。低レベルで過激発言が続く政治に一喝するためにも、10日には必ず投票会場に行かねばならない。

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  • ▲京畿道竜仁市水枝区の竜仁市丙選挙区から野党・共に民主党公認で出馬した釜承燦(プ·スンチャン)候補の応援に駆けつけた同党の李在明(イ・ジェミョン)代表。李代表はネギのヘルメットを手に演説した。6日撮影。/ニュース1、ソン・ウォンヨン記者

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