仏紙ルモンド「政権により法治主義が脅かされる韓国」 韓国総選挙

仏紙ルモンド「政権により法治主義が脅かされる韓国」 韓国総選挙

 フランスの有力メディアが韓国の総選挙結果を伝える際「韓国民主主義の基盤が弱体化した」と批判した。

【グラフィック】2023年世界の民主主義指数

 フランスのルモンド紙は10日(現地時間)「政権により法治主義が脅かされる韓国」という見出しの記事で「候補者に対する下命式捜査やメディア掌握など、選挙運動は極度の緊張の中で行われた」と評した。

 その上で「これはポピュリズム的、さらには独裁的傾向を持つ政府による民主主義の弱体化を意味している」と指摘した。

 ルモンド紙はさらに「(与党)国民の力所属で任期が2年目の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の残りの任期は今回の選挙結果に懸かっている」とした上で、選挙結果について「3月末までの世論調査では与党がやや有利だったが、今回の選挙は薄氷の勝負になりそうだ」と予想した。

 この記事は今回の開票前に報じられた。

 ルモンド紙は「特に今回の選挙運動はスウェーデンのヨーテボリ大学V-Dem(民主主義の多様性)研究所の評価を確認するかのようだ」とも伝え、同研究所が3月に公表した報告書で韓国の自由民主主義指数が179カ国中47位だったことを紹介した。

 V-Dem研究所は韓国について「メディアへの検閲が強化されている」と指摘したが、ルモンド紙はこの点に言及したのだ。

 ルモンド紙は「バイデン、ナルリミョン(吹っ飛ばしたら)」問題で公共放送局MBCが韓国外交部(省に相当)に訴えられ、裁判所が今年1月MBCに訂正を命じたことも伝えた。

 またKBS放送の経営陣交代とこれに伴うニュース司会者の交代なども「言論の自由を弾圧した事例」と指摘した。

 ルモンド紙は「尹大統領はかつての李明博(イ・ミョンバク)政権や朴槿恵(パク・クンヘ)政権と同じく、自分たちに批判的なジャーナリストを名誉毀損(きそん)で何度も訴えている」と批判した。

チ・ジョンヨン記者

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