MLB:カブス今永昇太、デビュー3試合で自責点0の快投ぶり…「山本由伸より上だ」との声も

 今季、米大リーグの新人の中で最も期待されているのは、誰が何と言ってもロサンゼルス・ドジャースの日本人選手で右腕の先発投手・山本由伸(25)だろう。日本プロ野球史上初の2年連続投手5冠や3年連続4冠など、これまでの最高記録を塗り替え、大リーグ進出を希望する山本を獲得しようと、ドジャースは12年間・3億2500万ドル(約465億円)という大型契約を結んだ。これは大リーグ史上、投手としては最高額で、山本に対する期待をそっくりそのまま示している。

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 現地メディアもシーズン開幕前は一斉に「新人王(有力候補)1位」として山本の名前を挙げたが、いざシーズンが始まると、別の日本人投手が急浮上して注目を集めている。山本と同様、今年大リーグ・デビューを果たしたシカゴ・カブスの左腕先発投手・今永昇太(30)だ。

 デビュー戦からして尋常ではなかった。今月2日、コロラド・ロッキーズとの大リーグ・デビュー戦で6イニングを無失点に抑えたが、6回二死までは「ノーヒット」を記録し、完璧なピッチングを披露したのだ。さらに、今永は8日のロサンゼルス・ドジャース戦でも4イニング無失点を記録した。ドジャース戦では、試合途中に雨が降りだして長い間中断していなかったら、5イニングは軽く越えていただろうという好投ぶりだった。開幕序盤から打席に入るたびに安打や本塁打を出していたドジャースのムーキー・ベッツやフレディ・フリーマンも、今永には対しては相次いでフライに終わり、実力を発揮できなかった。

 今永は今月14日、シアトル・マリナーズとのアウェーゲームで3度目の先発登板を果たし、5回と3分の1イニングを投げて2四球4奪三振・1失点(非自責点)と好投した。3試合で自責点「0.00」ということだ。1920年以降、大リーグ入りしてすぐの先発登板3回で15イニング以上投げ、15奪三振で防御率0.00を記録したのは、2021年ニューヨーク・ヤンキースのルイス・ギル以来だという。デビュー後、たった3試合でもう大リーグの貴重な記録を立てたのだ。

 現地メディアとファンの間では「今永が山本に日陰に追いやっている」など、今永が山本を圧倒していると評されている。今永は現在、2勝0敗16奪三振、防御率0.00だが、山本は先月のソウル・シリーズ第2戦でデビューして1イニングで5失点と振るわず、現時点でも4試合に登板して1勝1敗21奪三振、防御率4.50と期待には及んでいない。今永がシカゴ・カブスと4年間・5300万ドルで契約したことを考えると、コストパフォーマンスでは今永の方が山本を大幅に上回っている状況だ。

 今永は日本で「投げる哲学者」と呼ばれているほど、独自の確固たる哲学とそれにふさわしい歩みを続けてきた。今永のグラブには「逆境こそ覚醒のとき」という言葉が刺しゅうされているが、これは高校の野球部時代に指導を受けた恩師から言われた言葉だという。日本のメディアでは、「今永の人柄とプロとしての姿勢にあこがれる選手は少なくない」と報じている。シカゴ・カブスと契約する前、ボストン・レッドソックスからかなりの好条件を提示されたが、今永は「カブスに行く方がもっと成長する道だと思った」と言って、カブスと契約を結んだとのことだ。

 今永は最高球速が時速155キロメートルで、大リーグでは剛速球投手と言い難い。しかし、直球の回転数が非常に多く、打者たちからすると今永のボールは実際よりももっと速く見えるという。昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で今永と対戦した李政厚(イ・ジョンフ、25)=サンフランシスコ・ジャイアンツ=は後のインタビューで、今永のことを「最も印象的な選手」に挙げ、「回転数があんなに多い球は初めて見た。捕手がキャッチしなければバックネットまで突き抜けていきそうな感じだった」と語った。

ペ・ジュンヨン記者

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  • ▲2023年3月10日、東京ドームで行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)B組の日本対韓国戦で、4回表から登板して力投する今永昇太。

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