尹大統領と距離置く最側近の前与党トップ 独自路線模索か=韓国

【ソウル聯合ニュース】4月10日に投開票された韓国総選挙で与党「国民の力」が大敗したことを受け、同党トップの非常対策委員長を辞任した韓東勲(ハン・ドンフン)氏が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と距離を保ったまま独自の道を模索しているとの見方が党内で広がっていることが22日までに分かった。

 尹大統領側が韓氏と非常対策委員会メンバーを昼食会に誘ったが、韓氏が健康上の理由から断ったという。韓氏が拒絶する意思を明らかにしたことで、尹大統領と韓氏側の昼食会は当分の間、実現しない見通しだ。

 国民の力の内部では、韓氏が昼食会開催に応じなかったことについて、総選挙の期間中に明るみに出た尹大統領との微妙な関係が改めて露呈したとの見方が出ている。

 検事時代から尹大統領の最側近とされる韓氏は総選挙の期間中、大統領夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏が高級ブランドバッグを受け取ったとされる疑惑、国防部長官だった当時の職権乱用の疑いで捜査を受けている李鐘燮(イ・ジョンソプ)氏を巡る問題、先ごろ辞任した大統領室の黄相武(ファン・サンム)市民社会首席秘書官の進退に関する問題などで「国民の目線」を全面に出して大統領室と異なる立場を表明した。

 韓氏が20日、「国民」を強調した文をSNS(交流サイト)に掲載したのも政治的に独自の道を歩む意思を示したものとみられる。韓氏はSNSに「私は何があっても皆さんを、国民を裏切らない」とし「政治家が裏切ってはならない対象は皆さん、国民だけ。過ちを正そうとする努力は裏切りではなく勇気だ」とつづった。

 これは韓氏が尹大統領を裏切ったと批判する与党重鎮の洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱市長に対する反論ではあるものの、総選挙で韓氏が大統領室に圧力を加える際に用いた「国民」が強調されている点に注目が集まる。

 党内では、韓氏が大統領室と距離を置いた状態で充電期間を持つとの見方が出ており、復帰の時期については党代表を決める党大会よりも後にすべきだとの意見もある。韓氏が今回、党代表選に挑戦しなければ、復帰は2027年の大統領選への出馬に絡んだものになるとみられる。

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