韓国・ルーマニア首脳会談 防衛産業・原発分野で戦略的パートナー関係強化へ

【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は23日、韓国を公式訪問しているルーマニアのヨハニス大統領と会談し、国防・防衛産業や原子力発電など戦略分野での協力を大幅に強化する内容を盛り込んだ共同声明を採択した。

 韓国大統領室によると、両首脳は新たな地政学・地経学的危機に対応するための「戦略的パートナー関係」強化の必要性で一致し、具体的な協力策について議論した。

 会談では、「韓・ルーマニア国防協力協定」を締結して軍事教育、訓練交流、技術協力などでパートナーシップを構築することで合意した。これに伴い、国防・防衛産業の懸案を議論する両国国防部の局長級実務協議体の設立を推進する。

 韓国は昨年11月にルーマニアから携帯用地対空ミサイル「新弓」を受注したのに続き、多様な兵器の輸出について協議を進めている。

 また、両国は原発分野の協力についても了解覚書(MOU)を締結した。韓国は昨年6月、ルーマニアからトリチウム(三重水素)除去設備の建設事業を受注。原発設備の改善や小型モジュール原子炉(SMR)建設などへの韓国企業の参加拡大を推進している。

 ヨハニス大統領の訪韓日程には原子炉メーカー・斗山エナビリティーの昌原工場の視察も含まれており、大統領室は韓国企業が受注する可能性を模索する機会になると期待を示した。

 両国は貿易・投資、科学技術・環境、港湾インフラ、災害安全管理、文化など幅広い分野で協力を拡大し、交流促進に注力することを決めた。昨年過去最高を記録した両国の貿易額のさらなる拡大に向けてMOUを締結したほか、釜山港湾公社が昨年5月に締結したMOUに基づき、ルーマニア・コンスタンツァ港などのインフラ開発関連の協力も強化する。  

 両国は欧州連合(EU)最大の研究革新プログラム「ホライズンヨーロッパ」を巡り協力を拡大する一方、韓国の「カーボンフリーエネルギー(CFE)イニシアチブ」に対するルーマニアの支持を取り付けた。韓国は先月、ホライズンヨーロッパに準加盟国として参加する交渉案に署名している。

 さらに、両国は北朝鮮の核・ミサイル開発や挑発、北朝鮮とロシアの軍事協力を強く非難し、北朝鮮の非核化と人権状況改善のために協力することで合意した。

 このほか、戦争の長期化によるウクライナの人道状況悪化に対する憂慮を共有し、人道支援や復興に向けた協力の意思も再確認した。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい