韓国検察総長がソウル中央地検に指示「速やかに捜査せよ」 金建希夫人ブランド品受領疑惑

「証拠・法理に基づいて真相を究明せよ」
告発者の「ソウルの声」にも事情聴取を通知

 韓国検察のイ・ウォンソク検察総長(検事総長に相当)が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領夫人の金建希(キム・ゴンヒ)氏の「ブランドバッグ授受」疑惑を捜査しているソウル中央地検に「専担チームを立ち上げて速やかに捜査せよ」と指示したことが3日に伝えられた。進歩(革新)系最大野党「共に民主党」が最近、総選挙で勝利した後、金夫人の疑惑を巡る特別検察官法を推進したいと表明する中で、検察が同事件の捜査をスピードアップした格好だ。

【写真】腕時計に隠しカメラを仕込んでバッグを渡す様子を撮影した在米韓国人牧師チェ・ジェヨン氏

 本紙の取材を総合すると、イ総長は2日、宋庚鎬(ソン・ギホ)ソウル中央地検長から主な事件の進行状況について報告を受け、「金夫人関連の請託禁止法告発事件は専担チームを結成し、証拠と法理に基づいて迅速かつ徹底して捜査し、真相を明確に究明せよ」と指示した。これに伴ってソウル中央地検は、同事件を担当する刑事1部(部長:金昇鎬〈キム・スンホ〉部長検事)に少なくとも3人の検事を追加投入することが分かった。また韓国検察は、金夫人を告発したユーチューブチャンネル「ソウルの声」側にも事情聴取を受けるよう通知を行うことが分かった。

 金夫人が在米韓国人牧師のチェ・ジェヨン氏から300万ウォン(現在のレートで約33万8000円。以下同じ)相当のディオールのポーチバッグを受け取ったのは、尹大統領就任後の2022年9月13日のことだった。チェ牧師は腕時計に隠しカメラを仕込んで、金夫人にバッグを渡す様子を撮影し、この盗撮映像は昨年11月27日にユーチューブの「ソウルの声」で公開された。「ソウルの声」や市民団体は昨年12月、尹大統領夫妻をソウル中央地検と高位公職者犯罪捜査処に請託禁止法違反容疑で告発した。

 ただし、検察が本格捜査に乗り出したとしても金夫人の刑事処罰は容易ではない、という見方がある。現行の請託禁止法によると、公職者の配偶者は公職者の「職務と関連して」1回につき100万ウォン(約11万3000円)または年間300万ウォンを超過する金品等を受け取ってはならない。金夫人がディオールのポーチバッグを受け取ったといっても、それが尹大統領の職務と関連性があるのかどうかを調べてみなければならないということだ。

イ・スルビ記者

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