世帯月収700万ウォン超なのに…韓国所得上位20%の人「自分は中産階級」76.4%

世帯月収700万ウォン超なのに…韓国所得上位20%の人「自分は中産階級」76.4%

 韓国では自らを経済的な上流階級だと考える人は全体の約3%にすぎず、通常上流階級の基準となる所得上位20%とは乖離(かいり)しているという国策シンクタンクの研究結果が明らかになった。経済的に上流階級に属する人々の約85%は自らが中流、下流に属すると認識していることを示している。また、中産階級の多くは自らを経済的な下流階級と認識した。一方、国際的な統計基準による客観的な中産階級の割合は増加傾向にある。韓国社会ではしばしば「中産層危機論」がささやかれるが、実際に中産階級が減っているのではなく、自らを中産階級と考える高所得層の不満が発端になっている可能性が指摘された。

【グラフ】増え続ける韓国の中産階級

■上流階級の大半が自らを中流と認識

 韓国開発研究院(KDI)のファン・スギョン上級研究員とイ・チャングンKDI国際政策大学院教授による「韓国の中産層は何者か」と題する研究報告書によると、客観的な意味での中産階級はこの10年間で着実に増えていることが分かった。経済協力開発機構(OECD)は「所得中央値の75~200%」を中産階級の基準とする。所得中央値とは、全国の世帯を所得順に1位から最下位まで並べた場合、中央に位置した世帯の所得をいう。可処分所得(総所得から税金、利子、社会保険料などを差し引いた額)ベースで「所得中央値の75~200%」に属する人口の割合は2011年の51.9%から2021年には57.8%へと10年間で5.9ポイント増えた。

 一方、KDIが昨年3000人余りを対象に実施しているアンケートによると、自らを上流階級だと考える人は3%にすぎなかった。通常は「所得上位20%」を上流階級に分類するが、韓国では上流階級の10人中8人以上が自らを中流または下流と考えていることを示している。

 また、月収が700万ウォン(約79万6000円)を超える高所得世帯の中でも、自らを上流階級だと回答した割合は11.3%にとどまった。76.4%は中流、12.2%は下流だと認識していた。研究陣は「所得上位10%または資産上位10%に属する人でもそれぞれ71.1%、78.4%が自分を中産階級と判断していた」とし、「客観的階層と主観的階層の意識が明らかに乖離している」と分析した。

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